☆☆☆☆☆
久しぶりに五つ星の本。これも金川先生にお借りした本、でも今月一回歌会を開催していますが、いろんなことで示唆されることがいっぱい。
・この頃添削を嫌がる人が増えている、生徒でも先生の立場でも、文語では文法がまちがっているとか、正解、不正解があるが口語体ではそれ以外の部分の添削は重荷かも。
・自分の頭で考えたり感じたことを定型に託すんじゃなくて、定型に一緒に考えてもらう、感じてもらうというのが短歌をつくること。
・「砂時計のクビレ」=驚異の要素を入れる。ほどよくいれると、共感の障害にになるようなぎょっとする要素をあえて入れると、逆に読者の共感が高まる。
・もともと短歌の定型は文語のものだから、口語とは呼吸とかサイズ感がいちちずれてる感覚がある。口語に関しては多少の破調は定型のうちではないか。
・歌をつくるのはカスピ海ヨーグルト的作業で、継ぎ足すことで増やしていく。
・歌の欠けている部分のほうに注目して、それで絵を描く、その感覚がつかめると連作の解像度が格段に上がる。
・短歌って人間の横に広い視野の中に縦書きで立つことで生じる抵抗感と、一行を囲む膨大な余白によって詩であることを保証されている。
・実作と批評。さて同時に優れたものができるのは稀。
・短歌がしゃべりだす。
・声のトーンが変わる。
・自分の定型を育てる。
・速い歌と遅い歌。
・「作者」と「作中主体」
ほんと目から鱗というべきことが沢山述べられています。短歌入門というより、既に短歌をされている方必読ですな。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます