おいしい国ブルガリアでのフボボな生活

ブルガリアのこと、まだ忘れ難く・・・
でも、アラフィフからまた新たな挑戦をはじめます!!

「命の尊さ」教育?

2005-12-08 21:41:14 | ブログ
昨今、日本で人間の命をなんとも思わないような事件が起きていて、学校でも「命の尊さ」が必ず語られますよね。世界中で、このブルガリアでも同じような事件が起きているようです。本当に「世も末」です・・・

さて、話は一転、ここブルガリアでは「飼っている動物を〆てその肉を食べる」というのは日常茶飯事、または家族の一大イベントのようです。クリスマス時期(ブルガリア語でコレダ。新年までホリデーシーズンです)、人々が生きたニワトリや七面鳥の足をつかんで家に帰っているのをよく見ます。

先日、高速道路沿いの空き地でパザールのようなことをやっていたのですが、ニワトリ、ウサギなどのほかに自分の車(ラーダ、そしてなんとベンツ!!)のトランクで子豚を売っている人がいました。買い手がつくとお客の好きなブタを、ももをひょいとつかんで持ち上げ、麻袋に入れて渡します。自分の兄弟たちと一緒にブヒブヒかたまって暖まっていたのに、いきなり1匹になってそれも袋なんかに入れられて、驚いたのか「ピギーッ、ピギーッ」と鳴いていました。(頭の中に「ドナドナ」がながれて・・・あの歌、牛だったけど、売られるの。)
gosho

鶏肉よりも、この子豚の丸焼きはご馳走なのです。日本に生まれ育って、ニワトリを〆たことも、〆るのを見たこともなく、しかもアサリの味噌汁を作るのにも胸の痛む私にとって、あんなにかわいい子豚ちゃんがその後食べられるなんてかわいそうに思えてしまうのでした。(それでも肉屋で切り身になっていると平気で買えるし食べれるのですが・・・矛盾してますかね?)ちなみに売られた子豚たち、すぐに食べられる場合は少なく、ほとんど来年のために飼って育てるのです。大きくしたほうがたくさん食べれるもんね。

先日ギリシャに遊びに行ったとき、友人のタケシュのところで、そこの3人娘が自分たちの写真を見せてくれました。ピクニックの写真があったのですが、1枚目は娘たちがかわいい子豚ちゃんたちを抱えている写真。(といっても5歳や7歳の子達とならべると十分大きなブタです)2枚目は、なんと!!! お父さんや一緒にいたほかの家族のお父さんたちがそのブタをつるして〆て、さばいている写真です!! そして3枚目は娘たちもお父さんお母さんたちと一緒に楽しくBBQ。みんな「おいしいネー!!」という感じでニッコリ。おお~、これがほんとの「命の尊さ」教育かもしれません。子供たちもみな、ブタの断末魔の叫びを聞いたんだろうな~。にしても、みんなおいしそうに食べてて、やはり、このおいしさには勝てないということでしょうか。

さて、以前にご紹介したラドミルの「ゴショ」(ブタの。うちの大家じゃないよ)、ペルニックに引っ越してから何度か再開する機会があったのです。以前よりもずいぶん大きくなっていた(太ったというよりは背が伸びたという感じ)のでした。が、飼い主プラメンいわく、「12月になったらヤデネ(食べ物)になるんだよ。」
そして12月のある日、ゴショの姿はなく、ブタ小屋の戸は閉められ、窓際にはたくさんのビンが並んでいるのでした。「もしかして・・・」と思い聞いてみると、プラメンが「おいしかったよ」・・・あああ~、いつのまにかブタとしての最も尊い使命のために命を犠牲にしたのですね・・・
thanksforgosho

その夜、家でくつろいでいるとラドミルからかえってきた友人のステフチョが「プラメンからお土産だよ」といってビニールに入ったものをおいていきました。「これ何?」暗くてわからなかったので聞いてみると、「さあ???」
そして、家に入って明るいところで見てみると、変わり果てた「ゴショ」の切り身でした。ありがたく頂戴させていただきます。命の尊さをかみ締めながら・・・

コメント (4)
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