かなり前のことになりますが、元大家(芸人)の次男坊サミ(12歳=彼も芸人)にパザールについて来てもらったときのこと、
「あ、そうだ、ランチにバーニッツァを買わなきゃ」ということで私がバーニッツァを買って一緒に帰っていると、サミは「お店のバーニッツァはあんまり美味しくないね。バーニッツァはマイカ(ママ)のが一番おいしいよ!」との事。
「へ~、そんなにおいしいの?」
「おいしいよ!! マイカがつくったとき、ぼくはすっごくたくさん食べちゃうんだ」(12歳にして確かに少しずんぐりしています)
「え~っ、すごい!こんどサミのマイカにバーニッツァのつくり方教えてもらいたいな~」
そういうと、ママの自慢ができたこともあり、にっこりと満足そうです。
いろいろなところでバーニッツァをご馳走になって、ドマーシュノ(家庭での手作り)がおいしいのは知っていました。でも、おふくろの味が一番というのは万国共通なんでしょうか。昨日、近所のビオレッタのところにお邪魔すると、彼女の息子(私年代)が来ていて、なんか調子悪そうでした。そして「何も食べたくないけど、マイカのバーニッツァなら食べられる・・・」 う~む、そんなに美味しいんだ・・・ ごしょうばんにあずかりましたが、確かに!! おいしい! ビオレッタのバーニッツァはパイの皮(「コリ」、先日書きましたね。市販のものを普段は使うのですが)から手作りです。小麦粉に水、塩、油を混ぜながらしっかりこねて・・・本当に母の愛がこもっている感じがします。
でも逆に、お母さんたちは、というと、これまた「子離れ」するのがむずかしいようです。最近息子のバレリが家から独立して同じ市内でも別のところで働くようになった母親マヤが嘆いていました。彼女は一人親なので息子を頼りにしていたようですが、でも、同じ市内でいつでも会えるのにそんなに泣かなくてもいいじゃん! 私なんか親、日本だよ!・・・ まあ、でも母親の息子に対する思いも世界共通なんでしょうね。