おいしい国ブルガリアでのフボボな生活

ブルガリアのこと、まだ忘れ難く・・・
でも、アラフィフからまた新たな挑戦をはじめます!!

「借金天国」~ブルガリアにありがちな生き延びる方法

2016-03-03 11:43:48 | ブログ


メインストリート「ロムスコ・ショセ」にクレジット会社が何軒も並ぶ首都の田舎村ナデジュダ・・・ 友人のリリーおばさんと話していたら、そこへやってきたこれまた友人で「ナボリ」(=同い年。つまり”タメ”)のビリーがいきなり、

「ねえねえ、知ってる?サフカ!! つい最近交通事故で死んだんですってヨー!!」 それを聞いてリリーは「え・・・?!」

このサフカというおばさん、実はとんでもない「借金しまくって生き延びる系」の人で、リリーはその被害に遭っていました。被害総額は2500レバ=リリーの年金の半年分。サフカはその金額をリリーの名義で利用し、取り立てはリリーに・・・ そしてサフカとその夫、そして息子はそのままドロン。 そのショックでリリーはその後大病。 でもそのお金を返すことなくサフカは帰らぬ人となり、事故でその行方が判明するという皮肉・・・ 

リリーのように気のいい年金生活者をあてにして、最初は5レバ、10レバをその日のパン代として「貸して」もらい、ついには数百単位になり、気がつくとトータル数千になっている、という話、結構聞きます。日本人のワタシからすると、「そんなの最初っから貸さないことよ~!!」というのですが、これがブルガリア人のキャラ。 ある面親切で、そのせいもありこの貧乏な国にしては盗難は少ない・・・ 誰かから借りれば犯罪を犯さなくても何とかやっていけるからでしょう。

こういう「借金しまくりサバイバー」は、最近ではソフィア市内、特に庶民の街々(庶民の街リューリンなんかを含む)で、”各住居棟に1~2人はいる”と言っても過言ではありません。1、2レバあれば、パン1個とヨーグルト1パック・・・ それだけで数日は飢え死にしなくて済みます。

不思議なのは共産体制下、安く持ち家を手に入れているのでホームレスではないのですが、普通の人の300レバくらいの年金(もっと少ない年金しかもらってない人も・・・)では、薬代と水道光熱費を払うと、月の食費を捻出するのは至難の業となります。資産はあるけど現金がない、ということでしょう。 年金生活者だけではありません。普通の会社員も「給料未払い」の被害に!! そして借金サバイバーになってしまうケースも。 そんな一人、先回登場した友人のテメヌシュカおばさんと同じ建物に住むエミリアはBNT(つまりはブルガリアの国営放送?)に勤めていますが、彼女によるとここも給料支払いの遅延がつづいているそうで、先日、様子はどうかと聞くとため息交じりに、

「会社、きっと近いうちに閉じるわネ!!」 ええ~っ!! エミリアは年金受給まであと2年弱あります。若くはないからこの期間だけ雇用されるというのはかなりキビシイ・・・ となるとますます借金しまくりに!!

借金して取り立てはされないの?と思うかもしれません。同じ通りに何軒も並ぶ「消費者金融」でも毎月少しでも返済していればそこまで厳しく取り立てられないかもしれません。それでも最終的に借金のカタにアパートを取られた、ということもあるそうですがこのブルガリアでは驚異的に少ないケースのような。個人の借金の場合これがまた、ブルガリア人のキャラと相まって、取り立てるのは「ネブリヤートノ」(=不愉快な)というんだそうで、これに関しては怠慢、非積極的・・・ こりゃ~ますます借金されるしかないよネ~。

ちなみに、上記のサフカの話には続きが・・・  サフカのことを知る友人たちが事故現場を通りかかったところ、そこを渡るのを嫌がっていたおばあさんがいたそうです。そのおばあさん曰く、「先日ここで事故があって、女の人がはねられて足がフッ飛んだところを見たんで渡りたくないのヨ・・・ 怖くって・・・ でも、その女の人、一命は取り留めたらしいわよ。」 えっ!? じゃあサフカは死んでないってこと? でも足がフッ飛んじゃったら後遺症が残ってたぶん障害者認定を受け年金をもらって借金サバイバーを卒業? でも片足を失った代償はそれに値するのでしょうか?

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円満不倫~昼メロみたいだけど、ブルガリアにありがちな人間関係(1)

2016-03-01 12:55:21 | ブログ

日本ではあの名ゼリフ「あんた牡丹じゃなくてブタよっ!!」などで有名だったドロドロとした昼メロがなくなってしまう・・・という話ですが・・・ これは御年74歳のテメヌシュカおばさんの身内の話。ある日彼女の甥っ子キロ(40歳)の話になり、「どうしてんの?」と聞くと、とんでもない、そんな昼メロばりの話になっていました・・・

これまでのいきさつ。ウチのすぐ目の前を通る「ロムスコ・ショセ」をず~っといったところのお話・・・
キロはバツ1。5歳の子供を元妻に取られ、養育費を払おうにもブルガリア北部、ドナウ川沿いの小さな村に住んでいるために仕事もなく無職。家も修理しないと資産価値がなくなりそうな程ボロいので借金をして直しました。おかげで首が回らなくなっていました。このままではラチがあかぬ・・・とイタリアへ出稼ぎへ

そこへブルガリア系ロマで、イタリア人と結婚している人妻ヴァーニャ と出会います。同い年ということもありすぐに意気投合!! 実はヴァーニャの夫は若いころ事故に遭い、身体、精神に重い障害がある・・・ しかし彼の父親(つまりヴァーニャのしゅうと)は孫をその手に抱くことを未だあきらめきれず。そしてこのしゅうとは何とイタリアで貸しビルやホテルを所有する資産家。自分の血をひく、そして資産を受け継ぐ孫がどうしてもあきらめきれない・・・

ヴァーニャはそういう訳アリのところへ、その財産目当てで嫁に行きました。でも子宝はムリのよう・・・ ロマの女性で40歳まで一人も子供がいないなんて考えるのも恐ろしいことなのですが、どうしようもありません。

ところが・・・ !!! ヴァーニャはすぐに不倫相手キロの子供を身ごもりました!! で、どうなったかというと・・・

まずヴァーニャは大喜び!! あきらめていた自分の子供を40歳オーバーで初産。さすがに帝王切開で産後の肥立ちはとっても不安・・・ で、キロはヴァーニャのしゅうと所有の貸ビルの清掃管理の仕事を彼女から引き継ぎました。で、キロももう無職ではないので大喜び!! 借金も返せます。そして前妻との間の子供への養育費も払えるメドが立ち、前妻も大喜び!! さらにイタリア人のヴァーニャのしゅうとも大喜び!! 出所はともかく、嫁が産んだ子ですから当然我が孫!! 自分の資産を相続させたいのでしょう。で、イタリアでどのように出生登録されたんだか・・・

こういういきさつがあって、最近このヴァーニャは自分の子を連れて、実際その子の父親であるキロとともに彼の村に「里帰り」。異父兄(つまり前妻とキロとの間の子供)のところにも行き、「お兄ちゃんだよ~」と対面を果たしたとか。 キロとヴァーニャ、そしてキロの前妻が全員対面した・・・ う~む、いったいどんな会話をした?

何か・・・ 聞いていると登場人物一人一人がちょっとずつなんかオカシイんだよね~。ブルガリアの貧困ゆえにモラルなんかかなぐり捨てて、「生きるためなら仕方がない」ということらしいけど、この登場人物たちの子供たちは大人になったらどう思うのかな・・・?

ブルガリアには円満な夫婦、円満な家族というのはなかなかないけど、自分の利益だけに集中した「円満不倫」というものは、この話だけでなくまあまあたびたび聞くんですよね~・・・ 

コメント (2)
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