すっかり寒くなりました。
寒くなると、何となく淋しくなるのは私だけでしょうか
そんな時に、むかーし習っていたスペイン語の先生から
お葉書が来ました。
12月初旬に母国、アルゼンチンに帰られると…
若い時、南米に行きたくてスペイン語を勉強して
いたのですが、結婚して東京まで通うことが
出来なくなり、同じ地域に短波のアナウンサーを
しているアルゼンチン人が居ると聞いたので
訪ねて行き、教えてもらうようになりました。
まだ、20代の頃です。
ちっとも上達しない私のスペイン語でしたが、
習っている途中で、結婚7年目の妊娠が
分かった時、すごく喜んでトルティージャを
作ってお祝いしてくれたことが今でも心に
残っています。
私のスペイン語はそのあたりで終ってしまったの
ですが、子どもが亡くなったことを伝えると
顔を見せに来て言われ、横須賀から出掛けたの
ですが、先生が住んでいた並木は私が子育てした
思い出の地なので、駅に着いた途端涙が止まらなく
なり、泣きながら訪ねたら「ごめんなさいね。
辛い思いをさせてしまって」と、一緒に泣いて
くれました。
その先生が、突然息子さんとお嬢さんを連れて
母国アルゼンチンに帰るというお手紙でした。
ご主人は当分は、日本に残ると…
先生は、日本での生活の方が長いはずですが
母国とは母なる国と書くように、やはり戻りたく
なるところなのでしょう…
何だか、淋しくて仕方ありません。
私の風化したスペイン語では、この気持ちは
とても書けないので、漢字にルビをふって
平がな一杯の手紙を書きました。
鮭が川に戻るように、人も生まれた国に
戻っていくのでしょうか…
母国を追われた難民の人は、戻るべき大地は
どこなのでしょう…