「この映画は無音であり。言語は手話である。
耳の聞こえない聾者たちが自ら音楽を奏でる
アートドキュメントだ」という
『LISTEN』を観に行きました。
何と入場するときに耳栓が配られ、まったく音のない
映画が始まったのです。
無音の世界に慣れないので、最初は戸惑いましたが
無音であるにもかかわらず、聾者の体や手の動きから
音楽を感じることが出来るのです。
私は、手話とは言葉をかたちにし視覚化したものだと
思っていました。
ですから、そのかたちとなった言語の中に感情が
入るとは思ってもいませんでした。
音楽は聴覚に訴えるものだから、音楽を視覚化する
ことなど考えてもみませんでした。
無音の中で、彼らの体や手の動きを通して確かに
音楽が伝わってくるのです。
詩人の吉増さんは、聾者のこの魂が手に宿って
いると言われ、彼らの動きに胎動の中にいた自分を
感じると語られていました。
パンフレットには筑波大の先生が「振動を超えて
内なる宇宙に広がる音楽」と書かれていました。
彼らの手から紡がれる言葉や音楽は、魂と直結した
ものなのかもしれません。
無音の中で奏でられる音楽は、私の魂と共鳴して
いたのかもしれません。
若い聾の女性監督と聾の舞踏家によって誕生した
「LISTEN」是非観て欲しいです。
吉増剛造さん、こういう詩人が日本にいることに
感動してしまいました。
(23日は田口ランディさんのトークもあります。)
https://readyfor.jp/projects/listen