「おもてなし」という言葉が、まるで流行語のように
使われていたのは、東京オリンピックが決まった頃
でしょうか…
「おもてなし」と聞くと、思い浮かんでくることが
あります。
いつだったか、森のイスキアに行ったときに
初女先生が「今度、この近所の温泉の女将達が
イスキアに来るのさ~。どうして森のイスキアだけ
お客さんが多いんだろうって、見に来るんだって」と
ちょっと困った顔をして教えてくれたことが、
忘れられません。
訪れた女将さんたちがどんな反応をしたかなどは、
残念ながら聞いてないのですが、
きっと、さびれて行く温泉が多い中でイスキアだけ
どうしてお客さんがあとを絶たないのか
何か極意はあるのかと、不思議だったんでしょうね。
私は、友人に「森のイスキアって民宿なの?」と
聞かれた時に、こたえに困った覚えがあります。
結局うまく答えられずに終わりましたが…
田口ランディさんが、「いのちのエール」の中で
ぴったりの言葉で森のイスキアを表現して
いるのを読んだ時、「そうだ、これなんだよ」と
こう言えば良かったと思いました。
『森のイスキアに行くとね、ああ人として
大切にしてもらったなあっていう気持ちになるの
心の痛みに、丁寧に包帯を巻いてもらったような
そういう感じかなあ。それは医療でもなく、
サービスでもないの。
森のイスキアという場所そのものが、そういう
慈しみの場になっていて、そこに訪れるだけで、
なにかこう大きなあたたかさに包まれたような、
そんな気持ちになるの (田口 ランディ)』
森のイスキアって、そういうところなんですよね。
初女先生がいなくても、イスキアに行って
ブランコに乗ったり、イスキアの鐘を鳴らして
みたり、小さな森の中に佇んでみることも
できます。
ベンチに座って、イスキアに吹く風を感じる
だけでも、ランディさんの言われているように
大きなあたたかいものに包まれた気持ちに
なると思います。
私も、また行ってみたい
「ただいま~」と言って…