今日のNHKのクローズアップ現代で「この世界の片隅に」
が特集されていました。
こういう映画が、多くの人の心を打つことに、希望の光を
感じました。
アニメだけれど、本当に食事の場面が多いのです。
監督は、映画の中に出て来る献立を全部作って食べた
そうです。
丁寧に誠実につくっているので、そこに生きた
人達の生活が、言葉ではなく心に訴えてくるのだと
思います。
生活の中心は食べることだと、あらためて感じました。
佐藤初女さんの著書『いのちを養う食』に
「食はいのち 生活の基本」と力強い字のサインが
記してありました。l
初女さんは「食べたものはそのまま体に回ります。
これは説明も何もいらないほど、まったく簡単な
ことです。だから私たちは感謝しながら食材から
「いのち」をいただいて、家族が一緒に食卓を
囲むということが、とても大切なんです」と書いて
います。
映画の中では、食卓のおかずはいつも貧しい
けれど、一人でご飯を食べている場面は
一度もないのです。
少ないものを分けあって食べているのです。
空腹は満たされないかもしれないけれど、
孤食と言う言葉が生まれた今のような淋しさは
なかったと思います。
『食べることは生きること』
あまりにも真っ直ぐな、この言葉は、戦中戦後の
食べられない時代を知っている初女さんだから
言えたことかもしれません。
「この世界の片隅に」は、、戦争の映画だけれど
生活の映画でもあるのです。
初女さんがこの映画を観たら、どんなに喜ばれ
感動されたことでしょう。
この世界の片隅に、懸命に生きる私たちを初女は
見守ってくれているのですね。
もうすぐ初女さんの命日が巡ってきます…