台所に立って大根を切った時に、ふいに涙がこぼれました
初女先生の訃報の電話を受けた、あの瞬間が目の前に
立ちあがって来たのです。
息子を亡くした後も、大根を切った瞬間に涙が溢れ
止まらなくなったことが何度もあります。
悲しいという感情が脳を通り、涙が出るのかと思って
いましたが、大根を切っただけで…
深い悲しみとは、そういうものなのでしょうか。
もうすぐ1周忌が巡ってきます。
初女先生のことが、いつも心にあります。
こんな時、初女先生ならどうしただろうと、思うことが
度々あります。
今、世界から寛容というものが無くなり、不寛容の
時代に入ったと感じられるのです。
寛容には、母の心があると思われます。
初女先生は、男性も女性も母性を欲していると
言われていました。
不寛容な時代に、大きく包み込むような母性が
本当に求められると思います。
男性にも母性はあるのよとも言われていました。
アメリカで新しい大統領が誕生します。
アメリカが変われば、世界が変わるとテレビで
言っていました。
世界が不寛容の時代に加速していくのを感じ
不安になりますが、一人ひとりの母性愛が
この不寛容の歯止めになって行くと、
私は信じています。
何があっても変わらない、初女先生の生き方が
私たちの道標
『「母性愛とは、言葉を替えれば受け入れること。」
人は受け止められたと思った瞬間から、本当の
強さを発揮することができます。
「母性愛」がもう少し一人ひとりの心の中で芽生えるなら
混沌とした現代のような状況も、少しは変わる様に
思えるのです
佐藤 初女 』