今日は9月11日
2001年の9・11から16年が経ったのですね。
あの日のことは、ハッキリと覚えています。
夜、テレビを観ていた長男が大きな声を出して
「お母さん大変だよ、来て!」と叫ぶので、
台所から飛んで行くと、あの映像が映し出されて
いたのです。
息子が「映画みたいだ」と言って、ひどく驚いて
いました。
私も何が起こっているのか分からなかったけれど
大変なことが起きたということだけは感じて
いました。
現実なのか、架空のことなのかもハッキリ
しませんでした。
でも、それは私にとって海の向こうで起きている
ことだったのです。
そして、ほぼ一か月後の2001年10月25日木曜日に
息子が校庭で倒れ、私が病院に駆け付けた時は
すでに脳死状態でした。
目の前に起きている現実が、まるで架空の出来事
のようで、何度もこれは夢だと呟いていました。
海の向こうで起きたことが、かたちを変え
私の処へ降って来たようでした。
息子は10月27日に旅立ちました。
私は、来る日も来る日も「なぜ?なんで?」を
繰り返していました。
9・11で亡くなった方の家族も、きっと同じ問いを
天に向かってしていたのではないでしょうか…
生きているということは、想像も出来ない過酷な
事が、行きなりやってきます。
初女さんは、人様に起こることは自分に起こると
思って、話を聴いていると言われていました。
天に召された息子が、初女さんとの出会いを
与えてくれました。
人生は過酷です。
でも、その過酷を乗り越えた時には、喜びと
慈しみの世界が待っていると、私は信じています。
『すんなんり、するすると幸福になることはなく
生きていれば、何度でも繰り返し苦しみが
やってきます。
けれども苦しみは決して苦しみだけに終わる
ことなく いつか喜びに変わります。
苦しみなくして刷新ははかれません。
真の幸福は、苦しみの中にあってこそ
実感できるものです。
佐藤 初女 』