~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

田口ランディ「逆さに吊るされた男」

2017-11-16 23:27:28 | 日記

一昨日、田口ランディさんの新刊

「逆さに吊るされた男」を購入し一気に読みました。

いや~すごい作品です。

オウム真理教の死刑囚とずっと手紙をやり取りし

拘置所にも行かれていることは、お会いした時に

時折聞いていましたが…

この作品を読んで、あらためて田口ランディさん

という作家の凄さを知った気がしました。

オウム真理教の事件は、特異な事件として風化せず

私の中に残っていますが、自分とは全く別世界の

こととして見ていました。

ところが、ランディさんの本で、人間という視点

からこの事件をみるとオウムとの距離が

一気に縮まって来るのです。

なぜなら、そこに描かれている人物が極悪でも

オカルトでもなく

生きることを、普通の人以上に真剣に考えて

いる、そういう人だからからなのです。

私は、子どもを亡くした後だったと思うの

ですが、有楽町に行って帰って来るまでの間に

2回も「あなた何かお悩みですか」と、宗教に

声をかけられたことがありました。

多分、そういう人たちを引き寄せるオーラが

私から出ていたのかもしれません。

私は、疲れ果てていて誰とも口をきく気が

しなくて、関わることはありませんでしたが…

少し体力が残っていたら、ふらふらと話に

引きずり込まれて行ったかもしれません。

特別な人間がオウムの事件を起こしたんじゃない

と、初めて思いました。

読んでいくと、人間のというものが突き付けられて

来るのです。

本の表紙にある3つのタロットカードが

私自身の中にあることを、感じないでは

いられませんでした。

でも、何があっても自分の生き方を決めるのは

自分なのだから…

まだ、心の動揺がおさまらず、言葉に出来ませんが

凄い本です。

これを書いた田口ランディさんって

本当に凄い方です。

是非、一読してみてください。




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