田口ランディさんが「生きることを楽しむ。
その意思を強くもたなければ情報に圧倒される。
今は、意思を意識する時代。」と書いていました。
本当に意思を意識する時代に来ていると思います。
座間の事件も、「死」という呟きがこのように
運ばれてしまったということ、このことを
しっかり受け止めないと、いけないと思います。
「運命という字は、命を運ぶ」と書きます。
運ばれるのではありません。運ぶのです。
運ぶというところに、意思が働いているのです。
子どもを亡くした後、死ぬことばかり
考えていましたが、亡くなった子供のいのちも
私が生きなければと思った時に、「深い悲しみを
抱えていても前を向いて歩いて行きたい」と
思ったのです。
この時、私の運命のいのちの運ぶ方向が
決まったのだと思います。
宿命は変えられないけれど、運命は変えられると
言います。
運命は、自分の意思で方向を変えて行くことが
出来るのだと思います。
私が、「悲しみを抱えても前を向いて生きたい」と
思ったら、初女さんとの出会いが与えられたのです。
この情報社会の渦の中を生きて行くのは、
何気なく発した言葉や行動が、飛んでもない方向に
行くということを知っておかないといけません。
自分の意思を意識して生きることが、その人の
人生を決めることにもなると思います。
座間の事件から、そのことを学びました。
今日、星野道夫さんの本を読み、ようやく心が
落ち着きました。
『混沌とした時代の中で、
人間が抱えるさまざまな問題をつきつめて
ゆくと、私たちはある無力感におそわれる。
それは正しいひとつの答えがみつからない
からである。
が、こうも思うのだ。
正しい答えなど初めから存在しないのだと…
そう考えると少しホッとする。
正しい答えをださなくてもよいというのは、
なぜかホッとするものだ。
しかし、正しい答えは見つからなくとも、
その時代、時代で、より良い方向を
模索してゆく責任はあるのだ。
壮大なアラスカの自然は、
結局人間もその秩序の中に
いつか帰ってゆくという、
あたり前のことを語りかけてくる。
星野 道夫 』