フウロソウ科フウロソウ属。Geranium
品種の名前はよくわからないのですが、よく見かけます。ここら辺では冬でも花をつけてくれますが、ほかではどうでしょうか。冬のジェラニウムは、花より葉っぱのほうが、きれいですね。赤いジェラニウムは、全体が真っ赤に染まってきて、まるで燃えているようになります。
うちのお庭にも、ピンクの花をつけるジェラニウムがあります。お嫁に来た頃には、裏庭にいっぱい茂っていました。今は、庭を殺風景にするのが好きな夫のおかげで、見る影もなく小さくなってしまいましたが、それでも旺盛な生命力で、何度も盛り返してくれます。その強さのせいでしょうか、写真に撮ると、よくこんな風に映るのです。
これは、小学校の体育館の裏に咲いていた、ピンクのジェラニウムの葉っぱです。なんだかすごいでしょ。すごい精がいる、という感じさえしますでしょ。
昔は、ジェラニウムといえば、ひどい匂いがしたので、きれいな花でもどうしても好きになれず、敬遠していたものですが、最近では品種改良されたのでしょうか、そうひどい匂いはしなくなりました。それでも、すごく強いものがいる、という印象はなくなりません。どこか近寄りがたい。
いらぬことをすると、こちらからも痛いことがかえるよ、といってるみたい。美しい、というだけではない。強い。そういう花ですね。実際に、この花を、いやだと感じる人は、少なくないでしょう。負けず嫌いで強くて、しかも相当に賢い女の子が、待ち受けてにらんでるような感じがして。やっぱりちょっと敬遠してしまう。
だから冬でも、目にしみるほどの赤で、見るものの目を攻めてくる。わたしは、寒さなどに負けるものではない。強いものなのだ、できるものなのだと、言いたげに。
冬枯れたさみしい光景ばかり広がる冬には、そのジェラニウムの強さが、心地よい。暖かい火が点っているようで、近寄っていきたくなります。
人生にも、辛い、苦しいときは、ありますね。何もなくて、だれもいなくて、さみしくて、心細いとき。そんなときは、ジェラニウムに近寄ってみてください。必ず、何かをくれますよ。