世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

パンジー

2008-02-20 08:55:43 | 花や木

スミレ科スミレ(ヴィオラ)属。Viola × wittrockiana

さて、ちょっとクイズです。この、どこにでも見かけるパンジーは、人間にやさしいさくらそうタイプ、あるいは人間が嫌いなきくタイプ、どっちでしょうか。

よく顔を見て、花の心を感じてみてくださいね。微妙なところも、ちゃんと読んであげてね。なんとなく、わかるでしょう。

そう、スミレの仲間も、どちらかといえば、人間が苦手です。ちょっと、いやだと思って、いつもしぶい顔をしています。

ただ、きつい少年という感じのキクや、厳格なおじいさんという感じのマツ、生真面目なおじさんという感じのツゲと違うところは、すみれが、かわいい女の子、という感じのとこでしょうか。

「なんでそんなことするの?」という感じで、目をつりあげてはいるけれど、そこは女の子、あまり強くは責められない。だからいつも、すみれは悲しそうな顔で、うつむき加減に咲いている。

そんなスミレの花が、この日本中どこにでも、四季を問わず、咲いている。栽培がしやすいし、気軽にどこにでも植えられるし、繁殖力がすごいから、どこででも増える。一日、パンジーの花を見ない日は、日本ではないほどです。どうしてこんなに、パンジーが栄えているのか。

それはきっと、人間が、悪いことばかりしているから。だから、ちょっとは怒ってほしいんだけど、できたら、厳しい男の人に、ごんとお目玉を食らうよりは、やさしい女の人に、ちょっと怒ってもらうほうがいい、ていう感じでしょうか。

要するに、人間は、疲れすぎているんでしょうね。いろいろと、いやなことをしなければならないことがあって、それが積み重なってくると、悪いということはわかっていても、優しさを求めていきたくなる。

心に重荷を抱いている人は、だれかにいつも、ごめんね、て言いたい。悪いことしてるから。つっぱってるけど、本当はいつも、苦しいから。その崩れやすい心を、受け止めてもらうには、パンジーが、やさしい。

こんなにパンジーが、どこにでもたくさん咲いているのは、そんな人が多いからじゃないでしょうか。




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