虹色の柱が立っていた
空を支えているかのような
太い光の柱だった
砂漠が見えて それは不思議な
白い大理石を砕いた砂でできていた
時々 かすかなアイオライトの結晶が光る
それが 砂漠に花が咲いているように見える
国境には 菫の花が咲いていた
ぼくは国境をこえてゆく
明日 すべての人に
愛をおしえにいくために
知っているかい
あらゆる花の中で
いちばん 地球を愛しいるのは
いちばん にんげんをあいしているのは
菫の花なんだよ
ほんとうさ
だから
国境には 菫が咲いている
ぼくは 菫に笑いかけて
ゆく
そうとも みんなゆく
自分の国境を越えて
本当の美しい故郷を目指して
ああ 空が
すみれいろだ
あの空に吸い込まれるように
ぼくは飛んでいく
体が軽い
心が何かにとけてゆく
熱い
ああ やっと思い出した
ほんとうのぼくは
鳥だったのだ