潮騒を きいて 眠る
星も月もない 真っ暗な夜を
潮騒を ききながら 眠る
ぼくたちが 眠っている間も
神様は休まず
潮騒を 奏でている
夢の中で 薄藍の波が
銀のレースの縁取りをきらめかせ
抱き締めるように岸にぶつかる
愛してたまらぬ子に
とうとう会えた母のように
海が岸を抱いて 泣く
潮騒を きいて 眠る
星も月も 目を閉じた闇夜を
潮騒を ききながら 眠る
ああ
蝶々があおいでくれるような
かすかなためいきで
ぼくに何かをおしえようと
夢の中に入ってくるのは
だれだろう?
潮騒を ききながら 眠る
潮騒を