ほんとうは おつきさまがえらいんだ
と おひさまは おもっている
にんげんの みられたくないところは
そっとかげにかくし
まなざしを澄まして
その子の心を清らかにあらってあげるから
ほんとうに おひさまはえらいと
おつきさまは おもっている
じぶんに うそをついて
影の中でわるいことをしている
いたずらっこを
すみずみまで照らして
いたいおめだまをあげるから
おひさまも おつきさまも
たがいに おもいあっている
おきもちの やさしさゆえに
にんげんをくるしめることができず
いちばんがまんしてしまう おつきさまのことを
おひさまはいたいたしいと おもう
おきもちの やさしさゆえに
わるいものにはようしゃなくおこるのに
そのかげで その子の心をたすけるために
いちばん苦労なさっている おひさまのことを
おつきさまは 涙を流してごらんになる
にんげんは まだよくわからない
おひさまと おつきさまが
なぜそんなに なにもかもを
いらぬくろうばかりして じぶんたちのために
やってくれるのか
なぜと問われれば
おひさまと おつきさまはこたえる
おまえを あいしているからだよ