やさしくしてあげたいのに
それができないのは
なんだかおかしい
ぼくがひとに やさしくしようとすると
ひとはぼくを にらんで
何が欲しいんだって聞くんだよ
何も欲しくなんかないのに
やさしくしたいきもちは
ほんとうのものなのに
誰も信じてはくれないんだ
そんなもの この世のどこにもないんだって
人はいうんだ
うちひしがれて 泣いている
小さな おばあさんを
やさしく だきしめて
髪をすいてあげられないのは
何だか つらい
仕事だとか お金だとかの
いいわけがないと
人にやさしくできないのは
どこかが おかしい
世界を作っている
大きな鳩時計の ネジが
どこか 狂っているんだ
それで今は
誰も 誰かに
本当の気持ちでやさしくすることが
できないんだよ
すなおな気持ちで 生きていくことが
当たり前になったら
やってあげたかったのに
やれなかったことを
いっぱいするんだ
うちひしがれている あの人のところに
鳥のように 飛んで行って
愛してるよって 叫ぶんだ
愛してるよって 愛してるよって
何度も言うんだ