◇冬場の静物画モチーフ
この時期は静物画(花)を描こうにも素材が乏しく、日本水仙や山茶花、寒椿のほか千両・
万両や南天など実ものしかない。
南天も食料不足の冬場は鳥どもの恰好の餌として狙われるのだが、ネットで囲ってなん
とか保たせた。
生花の動とドライフラワーの静を表現することを意識しようというのが今回の写生の狙いで
あったが、ほとんど成功していないことを白状せざるを得ない。
・南天の実はもっと大きくした方がよかった。
・ほうずきはドライフラワーらしい静謐さが出ているだろうか。
・蓮根の花託(または花床)部分もドライ状であるが雰囲気に乏しい。
・生の花との対照性を強めるために寒椿を添えたがうるさいだけの存在かも知れない。
・網籠は細かくて、丁寧に描いていると神経衰弱になりかねないが、ある程度写実的に描か
ないと網籠に見えないので観る人は勘弁してくれない。難しいところである。
全体としてやや不満が残る作品になった。
CLESTER 8 号
(以上この項終わり)