リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リンドベルイのモンテヴェルディ

2006年01月16日 21時32分53秒 | 音楽系
昨日はヤコブ・リンドベルイ率いるムジカマーノのコンサートに行って来ました。リンドベルイはスゥエーデン生まれのリュート奏者で,現在は確かロンドンで教えていると思います。名古屋へはソロで2,3回来ていますが,アンサンブルでは初めてですね。

ステージに登場したリンドベルイ,やっぱりちょっと老けましたね。演奏も老眼鏡がないと楽譜が読めないみたい。(人のこと言えないけど(笑))

プログラムはオールモンテヴェルディです。オペラのシーンにいくつか有名なアリアを添えるという趣向でなかなか楽しめるプログラムです。

歌が6人とヴァイオリン2人,それにテオルボ(バロック・ギター)というオペラのシーンを演じることができる最低編成です。ソプラノの2人はすごく上手かったですねぇ。もう一人の若いソプラノのおねえさんはちょっと声の輝きが不足かな?

男声陣はバスを除いてまずまず。バスはちょっと危ないところが多すぎって感じ?まぁ,6人全員上手い人をそろえるのは難しいですよね。

リンドベルイのテオルボはいい音でしたね。バスの音が厚みがあってよく通ります。最初はテオルボ1本で大丈夫かなと思いましたが,必要十分でした。まぁ,バロックの時代の楽器は基本的にはきちんと音量バランスが取れるはずですから,リュートやテオルボでも大丈夫なんですね。昔はそうやって使ってたわけだし。このあたりが,モダンギターと「立ち位置」が違うわけです。って別の今のクラシックギターのことをどうこういうつもりはありませんけどね。

いい演奏会でしたが,お客さんが少なかったのが残念でした。200人行くかいかないかの観客ではちょっと寂しいです。人口200万を超える大名古屋圏がバックにありながらこれだけでは寂しすぎです。人口17万都市バーゼルの月例カンタータ演奏会はいつも満員だし,3月頃の受難曲なんかは巨大な教会が満杯になります。何が違うんでしょ?