リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

また桑名語の話題

2006年01月26日 12時10分55秒 | 音楽系
また桑名語の話です。(笑)

私が小学生だったときは,世の中もっと桑名語が濃かったです。当然学校の先生も桑名語ばりばりでした。

小学校1年か2年のとき(多分2年のとき)音楽の時間に「喜びの歌」を習いました。もちろん歌詞はドイツ語ではなくて日本語です。「はれたる あおぞら ただよう くもよ・・・」って歌詞です。これって今も日本語の場合この歌詞なのかな?

これを先生は「はーれーたール あーおーぞーラ たーだーよーオ くーーもヨ」と歌っておられました。私はありのままに受け止めてしまいましたから,この曲は楽譜でいうと4拍目にアクセントが来るという風に覚えてしまいました。

中学生になってそのメロディを交響曲第9番として聞いたとき,決して同じものだとは思いませんでした。誰でも歌いやすいようにメロディを変えてあるのだと信じて疑いませんでした。その呪縛(笑)が取れたのが何と高校生の頃です。何気なく交響曲のメロディと喜びの歌のメロディを比べてみたら,な,何と同じだったんです。これはホント驚きました。

小さいときに刷り込まれたお陰で,「はーれーたール あーおーぞーラ・・・」は楽勝ですが,「ハれたる アおぞら・・・」式は相当意識しないとだめです。つい昔のパターンが出てしまいます。まぁ,この日本語の歌詞もアクセントがちょっと変ではありますけど。

あと同様なトラウマがもう一つあるんです。小さいときに(そういや「喜びの歌」の頃ですね)父親からヴァイオリンを教えてもらっていましたが,ヴァイオリンの教則本にヘンデルのブレがありました。(作品1の5のト長調のブレ)この父親の教え方がかなりでたらめで,というか多分何も考えてなかったと思うんですが,何と始めの何小節かは3拍子のアクセントで,途中から2拍子という大胆な解釈で教えてくれました。ソーソーミー ファミレドソー ドーーシラ ソーファミレミ・・・(移動ドです)という感じ。(笑)
お陰でこの曲の通奏低音は,メロディを聴いていると出来ません。あな恐ろしや。小さいときに刷り込まれてしまったものはもう取れないんですね。