リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

本格派

2008年11月26日 14時01分46秒 | 音楽系
バロック・チェロの鈴木秀美さんが名古屋でバッハの無伴奏チェロ組曲を演奏するコンサートを開きます。(12月17日、名古屋電気文化会館)スポンサーもさすがに大きなところがついているみたいで、先日車を運転しながらラジオを聞いていましたら、宣伝していました。

「・・・鈴木秀美リサイタル・・・バッハの無伴奏チェロ組曲をバロック・チェロで演奏する本格派・・・」

うーん、ホンカクハねぇ。「本格派」って、そういうふうに使うことばでしたっけ?広辞苑を調べてみますと、本格というのは「もとからの正しい方式、本来の格式を備えていること」などとあります。

秀美さんのバロック・チェロによるバッハの演奏が本格であるというのはいうまでもありませんが、もともとすでに本格である人に対しては本格的とか本格派とは言わないというところがこのことばの用法として重要なところだと思います。

本格でない人、例えば最近モダンチェロからバロックチェロに持ちかえたアマチュア演奏家のAさんの演奏に対して、「いやー、Aさん、バロックチェロで演奏するなんて本格的ですねぇ」と言うようなのがよく耳にする言い方だと思います。従ってその道の名人に向かって、「いやー、本格的ですねぇ」というのはものすごく失礼な言い方だと感じてしまうんですが、どうなんでしょう。