リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

桑名六華苑コンサートシリーズ

2010年11月09日 12時54分46秒 | 音楽系
今年2回予定していました桑名六華苑バロック音楽ミニコンサートも7日に全2回が無事終了いたしました。7日はクラシック・ギターの山田陽介さんとフルートの舟橋諭美さんにお願い致しました。今年の第1回は4月に、バロック・チェロの高橋弘治さんと私のテオルボでコンサートをおこないましたが、この六華苑シリーズもすっかり定着した感があります。

そもそもこの六華苑の洋館ロビーでコンサートを、と思いついたのはもう遙か10数年前、諸戸氏邸宅が六華苑としてデビューしたときでした。ここでコンサートを開いたら、音響的にも雰囲気的にもすばらしいのではないかと思いました。洋館ロビーは今でも大変すばらしい音響を誇りますが、当時は床がまだオリジナルの板張りで(現在はその上にカーペットを敷き詰めています)、さらに美しい音がしていたはずです。

していたはず、といいましたのは、この当時行政当局にいろいろな人を通じてコンサートの提案をしたんですが、全く反応がなかったので、本格的なコンサートは1度も開かれていなかったからです。こういうのを宝の持ち腐れと言うんですね。

この状態にに風穴が空いたのが2005年のことです。スイスから帰ってきて、当時の六華苑長さんにコンサートの話を持ちかけましたところ、苑長さんご自身には大変よく趣旨を理解して頂いたんですが、

「・・・でも議会筋でいろいろ言う人がいましてねぇ。人が沢山入ると床が痛むのでコンサートなんかはやってはいけないとか、コンサートをやっていることで、他の人がそこを見学する権利を奪うからいけないとか・・・」

と、おっしゃる。ちょっと信じられない内容の話ですが、これ本当のことです。で、そこをなんとかお願いして年間2回シリーズのコンサートにこぎつけたのが、2006年のことです。それまでは、ヴァイオリンの方なんかがメロディだけ弾くようなコンサートが洋館ロビーでたまに行われていましたが、初の「本格」コンサートになったわけです。(そのときの編成は、ソプラノ、リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、アーチ・リュートでした)

その後、苑長さんも替わり、予算的措置も講じるいただけるようになり、今に至っています。今では私が関わっているもの以外にもいくつか洋館ロビーでコンサートが開かれるようになっています。このシリーズコンサート、来年度もぜひ継続していきたいと思います。5月と10月か11月に行うことができたらと考えていまので、桑名の名所見物のついでにでも来て頂けると嬉しいです。