リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ロバート・スペンサー

2010年11月29日 20時14分34秒 | 音楽系
昨日のブログに出てきたロバート・スペンサーという人、彼はイギリスのリュート音楽研究家で確か貴族だったと思います。自宅というか自邸の蔵に昔のリュートがあったりマニュスクリプトがあったりするわけです。

日本ではいくら蔵をひっくりかえしてみたところで、リュート関連資料は出てくることはまずないですが、(注1)このあたりはさすが歴史の重みというか厚みを感じざるを得ません。同じようなことは、イギリスリュート協会のミーティングに行ったときも思いました。参加している層が厚いし、内容も豊富、何より朝からほぼ丸一日やるというところが素晴らしい。

日本のリュート人口と言いますか、ま、リュートが好きな人の層は、私がリュートを初めて手にした70年代はじめの頃と比べるとずいぶん広がりは見せています。その頃は、ギターを弾いていて珍しいもの好きの人がリュートに興味を持つというケースが多かった感じがします。

でも今はギター経由で来る人はすごく少なく、ましてや珍しいモノが好きだからリュートをという人は少なくとも私のまわりにはいません。でもいかんせん絶対数が少なすぎてとてもイギリスのような幅広い愛好者層を形成するには至っていませんが、古い音楽を楽しむ人たちが着実に増えていて、その分リュートへの関心も増えているのは嬉しい限りです。


(注1)昔のお殿様のコレクションである南葵文庫(なんきぶんこ)にはリュート関連資料があります。文庫の書籍は現在は東京大学図書館にあるそうです。