リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バス弦戦国時代(2)

2024年05月08日 19時04分45秒 | 音楽系

5.古いへたったピラミッド弦
パスカル・モンテイイェが彼のバッハアルバムで使用していたという弦。agingさせるわけですが、自然にagingさせるのは結構時間がかかります。時短agingが4.のリンドベルイがやっていた方法なのかも。

6.ガムート社のピストイ弦
ガット弦をガムート社独自の方法でより合わせて作ったバス用の弦です。ピストイという歴史的に存在したバス弦の名称を使っていますが、「昔のピストイ弦みたいな感じ」という意味合いでヒストリカルな製法によるものではありません。

7.ローデドガット弦
アントニー・ベイルズが370Hzのピッチで録音したアルバムで使っている弦がこのローデドガットです。彼が録音に使った弦はアキラのミッモ・ペルーフォに作ってもらった特注品で一般に販売されているものではありません。かつてアキラはローデドガット弦を出していましたが、製品が安定せず製造を止めてしまいました。現在擦弦楽器用に限定した限られたゲージのローデドガットが販売されています。

8.アキラ社のヴェニス弦
これもガムート社のピストイ弦と同様、「昔ヴェニスから出荷されていたバス用の弦」をヒストリカルに製造した弦ではありません。この弦もガット弦をより合わせてロープ状にしたものですが、アキラ社では擦弦楽器用として出しています。アキラ社がリュートバス弦用としては出していない以上、バス弦として使うのは得策ではありません。

9.キュルシュナー社のルクスライン
金属をガットの中に埋め込んだ弦。見た目の表面は比較的平滑ですが、オープン・ワウンド弦と同じ機能を持つとメーカーでは言っています。でも実際の表面はかなりでこぼこしています。あくまでも「比較的」平滑ということです。

10.ガムート社のギンプ弦
キュルシュナーのルクスラインとよく似た構造の弦です。こちらの弦の表面はほぼ平滑です。

11.HF弦
3日前のエントリーで紹介した弦です。実際に見たことがないので具体的にはよくわかりません。後発ですので出す方も自信があるのかも知れません。