リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

カステルヌオーヴォ=テデスコ

2025年01月14日 16時27分45秒 | 音楽系

60年代後半から70年代始めにかけてギターを弾いていましたが、今ではギター曲を聴くということはまずありません。(リュート曲も鑑賞として聴くことはありません)

ただテデスコの曲だけはときどき聴きたくなって聞くことがあります。彼はギター以外の曲も沢山書いていて、それらを聴くこともあります。

テデスコの曲で一番最初に聴いたのはギターコンチェルト第1番でしたが、楽譜を買って弾いてみたのはピアノとギターのためのファンタジアです。私が高校2年生のときです。今朝もなんとなく聴きたくなってナクソス・ミュージック・ライブラリーで聴きながら朝食を頂きました。

購入した楽譜はたぶんセゴヴィアが手を入れていない素のままのものみたいで運指が何も書かれていませんでした。まだ指の技術もそれほどは身についていないのでとても苦労して運指を書き練習をしてみました。

ソロ曲ではないのでピアノを弾ける人を探す必要がありますが、その頃こんな高度な曲を弾ける人は周りには皆無でした。ふと思いついたのが中学校の恩師でした。事情を話してお宅をお邪魔することになりました。立派なグランドピアノが置いてありましたので、実際に曲全体が音になるかと思うと胸が高鳴りました。

では合わせましょう!ということで始めました。最初のピアノの和音が少し違うみたいでしたが、とりあえず続くギターのソロを弾いてみました。この部分くらいは弾けないといけないと思っていたのでよく練習しておいたところです。そのつぎに今度はピアノのソロフレーズが続くはずですがアレっ?音が全く聞こえません。先生がおっしゃるにはこの曲は難しすぎて全く弾けないとのことでガッカリでした。

先生はなぜかピアノを習いに来ている私の同級生について話し始めて「あいつは全然弾けんわ」なんておっしゃっていました。ひょっとして機嫌が悪くなったのかも知れないので適当に話を合わせて早めにお暇しました。(笑)