リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

音楽を始めたころ (5)

2005年05月22日 08時24分33秒 | 随想
 3月の本番はあっけないくらいすぐに終わった。緊張していて途中のことをあまり覚えていなかったといった方が正確かも知れない。中学校の吹奏楽部でトランペットを吹いていた私は、体育館のステージには何度か立ったことがあり、それなりのステージ度胸はあったつもりだったが、音が小さいギターの演奏は今までにない経験だった。底冷えのする体育館で、もの音一つしない中、4人が奏でる哀愁に満ちたメロディが流れていた筈だが、多分演奏はボロボロだっただろう。それでも予餞会終了後同級生たちは大いに賞賛してくれたので、面映ゆいかったものの、その暖かさが嬉しくもあった。これが記念すべき私の「デビュー」演奏だった。

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