前々回の大河ドラマ「光る君へ」では、よく主人公のまひろが琵琶を弾くシーンがでてきます。もちろん使われている琵琶は平家琵琶などではなく雅楽で使われる楽琵琶です。
終わりの方のシーンで1弦が切れる場面があり、それが不吉な予兆として描かれていました。ヨーロッパの絵画でもリュートの弦が切れているのは不吉な予兆を表すようで、例えばメトロポリタン美術館所蔵のカラヴァッジョの「The Lute Player」では1コースの弦が切れていて何か意味深です。(全複弦の8コースリュートで、1コースの内側(バス弦に近い方)が切れています)
ハンス・ホルバインの「大使たち」の中に描かれているリュートも4コースのオクターブ弦が切れています。こちらはさらにドクロまで描かれています。ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵展示の作品ですが、絵画の真横に立つと正面から見たときは謎の細長いものにしか見えなかった物が実はドクロであることがわかるという仕掛けがあります。
まひろの家には琵琶があり、ことある毎に奏でるシーンがあることとの関連もあるのでしょう、BGMのアンサンブルにもときどきリュートの音が聞こえてきます。22日に掲載した「光る君へ」のバロック・リュートによるソロのBGM(40秒ほど)の楽譜を演奏してみた方はいらっしゃいますか?記事の中でデタラメですと書いておいたので最初から弾こうとしなかったむきもおありかと思いますが、草稿という形でしかも手書きですので、バロック・リュートを知らない方にとってはデタラメに見えるという意味です。
楽器の演奏ができる方がちゃんと音をとっていけば正確なコピーになるようになっていますのでバロック・リュートの演奏ができて興味のある方は、一度清書してから弾いてみて下さい。まぁこんな提示法が著作権に抵触しないギリギリのところですか。
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