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自己主張の国

2007年01月12日 | アメリカ生活
アメリカにいたとき、私の一番の仲良しは同じラボのEさんでした。Eさんはアフリカ出身の黒人で、すでに市民権を得てアメリカ人になっている人です。子どもが一人いますが、シングルマザーで、とてもがんばり屋です。私も子どもが二人いましたし、アメリカには単身赴任だったので、状態は似ていて、よくお互い励まし合ったものでした。彼女は向学心があり、苦労して働きながら修士をとり、日々私と同じような分子生物学的な実験にあけくれていました。が、そんなに仲良しの彼女でも、同じような実験をしている関係上、器具を使う時間が重なったり、実験の予定が重なったりして、困ることがよくありました。彼女はそういうとき、はっきりと言います。「私の実験は最重要だとボスに言われてるわ。だから、今この機械を使うのは私よ」「私はこの研究所の正職員よ。あなたは一時的に働いているわけで、責任が違うわ。だから最優先は私よ」まあ、そのたびに私はできるだけ譲歩してきました。確かに彼女の言うとおりだし、彼女は働ける時間も限られていましたから、私が土日に出勤したり、クリスマスも正月も出勤して実験していたのは、彼女と重ならないようにするためでした。でもあるとき、日曜日の午後だったかな?私が実験しているとめずらしく彼女が来て、「どうしても緊急に実験をする必要があるの。そこをあけてちょうだい」と言ったたとき、私は厳しく彼女に言いました。「あなたの予定を全部聞いて、使わないという日に予約を入れて、それで今使っているのよ。私も予定があって、何時までにこれをおわらせなきゃいけないの!」と。それから大げんか。でも最後は彼女とハグしあって、「お互いにがんばりましょうね」と言い合って仲直りしました。が、それからも彼女のこういう自己中心は全く変わらず。そのたび、ずいぶん言い合った覚えがあります。

でもこんな話、アメリカでは決して珍しくありません。押しの弱い日本人だとすぐ言い負かされてしまいます。アメリカでは自己主張をしないと生き残っていけません。でも、本当に疲れます。もし温厚に話し合いで何でもしずしずと進んでいくなら、どれだけ精神的に楽なことでしょうか。でもそれはあり得ない世界。Gさんという仲良しもいて、その人もとてもナイスな人だけれど、やはり実験してるととんでもなく自己主張してくるので、私はいつも自分の領域を守るために戦ってました。

だけどあれだけ言い合っても、普段はホントに仲良しなのが不思議。からっとしてるというか、根に持たないというか。いや私の英語力がいい加減だから、微妙なニュアンスがわかってないだけかもしれないんだけど。

まあでも、いくらなんでもこれだけはいけないんじゃない?とわたしが今でも思うことは
1,機械の予約表に向こう3ヶ月24時間全部自分の名前をいれる。
2,人が予約を入れていたのに、来てみたら彼女が使っていて「緊急だから悪いわね。」ですます。
3,私の名前が書いてあるのに「それは自分のものをあなたが盗ったのだ」と非難する。

さてあなたならこういうときどうやってネゴシエーションするかな?
コメント (1)
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