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私のボス、テレーズ

2007年02月02日 | アメリカ生活

私は1999年にアメリカに行きましたが、最初のラボは農務省の研究所でした。そこで仕事をするうちに当時のボス、Dr. Joe Urbanに「アメリカにもう少し残って研究を続けないか」と言われ、米国軍保健科学大学(Uniformed Services University of the Health Sciences:USUHS)のDr. Gauseのラボに移ったのですが、一年半後、今度はDr.Terez Shea-Donohueのラボに移ることになりました。

TerezはUSUHSに長く勤めたあと、Joeに誘われて農務省に移ってきていました。彼女は三人の子持ちで、当時長男が大学生、下の二人は双子で、高校生でした。Terezは何でも気軽にやってしまう人で、ラボの雑用も進んで引き受けるような人です。家族にもラボのメンバーにもいつも惜しみない愛情を注いでいて、ラボのメンバーの誕生日には必ずケーキを焼いてきてくれたり、ランチに連れて行ってくれたりします。仕事の面では聡明で地道、そして非常に楽観的で、新しいアイデアがいつもわき出ている人です。このTerezが2003年の末にメリーランド大学の教授として招聘され、私も彼女についてボルチモアへと移ったのでした。

私はアメリカに三人のボスがいますが(Joe, Bill(Dr.Gause),Terez)、この三人から学んだことは非常にたくさんあります。特にTerezは人生の師とも呼べる人で、ワークバランスについての的確なアドバイスをたびたびもらいました。また、仕事の面でも、いつも私を全面的に支援してくれ、私の日本への帰国、またその後の共同研究についても、彼女の支援なしには決してこれほど順調に進んではいなかったでしょう。

アメリカは精神を消耗する競争社会です。そういう中でこのようにボスに恵まれたことは本当に幸運なことでした。しかし、研究の最前線はあくまでプロフェッショナルの世界。相手から受けた以上にこちらも貢献しなければ関係はうまくいきません。そのことは今度また書くことにします。

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