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彼女たちの場合は

2020年07月28日 | レビュー
 昨年出た江國さんの本。
女の子が二人でアメリカを旅する。
若い頃の思い切った旅というのはいいなあとつくづく思う。
人との出会いがその後の自分の人生を広げてくれる。
旅で得るものは大きい。
一方で、この二人が無事に帰れて本当によかったということも
同時に思う。
旅に出なくてもアメリカには危ない場所がいっぱいある。
私がアメリカに住んでいた頃、シッターを兼ねて日本から
やってきた若い女の子がいた。
その子の行動に毎日やきもき。
ある時は知らない人の車で送ってもらい
電話番号まで教えてしまっていて
家に何度も電話が来て大変だった。
住所は特定されているわけだから
なにかあってもおかしくない。
だけど幸い相手が(たぶん)よい人だったので
悪さをされることはなかった。
またある時は、別の日本人の留学生(女性)が、夜中に
サッカーの試合を見に来させてくれという。
日本チームの試合開始が午前3時だった。
私が嘆願したのは、
前の日の夕方来て泊まってちょうだい。
真夜中に町の中を歩いてこないで。

この本を読んで、あの頃のことを思い出した。
若い時の無謀。
無事であればラッキー。
だけど万が一があったら、最悪は命がない。
そういう危険と引き換えに、得られる体験もまた破格。

わたしは子どもがいたし
日々安全第一に暮らしていたけれど
それでもものすごい緊張感で生きていたアメリカ。
この本を読んで、ぎりぎりで張りつめていた日々が
よみがえって
なつかしく、そしてうれしかった。


コメント
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