昨年出た江國さんの本。
女の子が二人でアメリカを旅する。
若い頃の思い切った旅というのはいいなあとつくづく思う。
人との出会いがその後の自分の人生を広げてくれる。
旅で得るものは大きい。
一方で、この二人が無事に帰れて本当によかったということも
同時に思う。
旅に出なくてもアメリカには危ない場所がいっぱいある。
私がアメリカに住んでいた頃、シッターを兼ねて日本から
やってきた若い女の子がいた。
その子の行動に毎日やきもき。
ある時は知らない人の車で送ってもらい
電話番号まで教えてしまっていて
家に何度も電話が来て大変だった。
住所は特定されているわけだから
なにかあってもおかしくない。
だけど幸い相手が(たぶん)よい人だったので
悪さをされることはなかった。
またある時は、別の日本人の留学生(女性)が、夜中に
サッカーの試合を見に来させてくれという。
日本チームの試合開始が午前3時だった。
私が嘆願したのは、
前の日の夕方来て泊まってちょうだい。
真夜中に町の中を歩いてこないで。
この本を読んで、あの頃のことを思い出した。
若い時の無謀。
無事であればラッキー。
だけど万が一があったら、最悪は命がない。
そういう危険と引き換えに、得られる体験もまた破格。
わたしは子どもがいたし
日々安全第一に暮らしていたけれど
それでもものすごい緊張感で生きていたアメリカ。
この本を読んで、ぎりぎりで張りつめていた日々が
よみがえって
なつかしく、そしてうれしかった。