院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

天然痘ウイルスの絶滅

2012-02-14 11:12:54 | 環境
 1980年、WHOは天然痘の根絶宣言を出した。一部の研究所以外に天然痘ウイルスはいなくなった。

 これは、よいことなのだろうか?現在、レッドデータブックというものがあって、絶滅危惧種が掲載されている。にもかかわらず、人類は天然痘ウイルスを絶滅させてしまった。

 天然痘ウイルスも生物である。自然界で一定の役割を果たしていたに違いない。つまり、天然痘ウイルスも生態系の一部だったはずだ。

 そもそも感染症が悪者扱いされるようになった歴史は、そう古いものではない。人類は100万年間、同じような狩猟採集生活をしていた。ところが、つい最近の1万5千年前、農耕が発明され、人類は定住と集団生活を始めた。感染症が問題となり始めたのはこの時期からに過ぎない。

 鳥のトキを何億円もかけて保護しようとして失敗した。生態系がそんなに大事なら、天然痘ウイルスを絶滅させてはならない。

 生態系とか生物多様性とか、しきりに言われる割には、天然痘ウイルス絶滅のことを言う人がいないので、ここで言ってみた。