院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

マグロの解体ショー

2012-02-26 01:10:31 | 文化
 屠畜場は、ふつう一般人には見せない。医学生のころ公衆衛生学の実習で屠畜場見学に行ったことがあるが、の現場は見せてもらえなかった。は見た。血まみれの床に牛の乳房が転がっていた。

 どこの国でも、屠畜場は医学生のような特別な者にしか見せないだろう。

 むろん人体解剖も見せない。

 人の死の現場も近い親族にしか見せない。30年ほどまえ、これを「死のポルノグラフィー化」(秘すること)と言って、死が日常から乖離する元凶だと批判された。

 話は跳ぶようだが、最近は魚を捌けない主婦が増えている。飼っているニワトリをツブす(殺して捌く)ことは、昔の農家では普通にやられていたが、今、ニワトリをツブせる主婦はいない。

 そこで、少し不思議に感じるのは、マグロの解体ショーに人気があることだ。魚を捌けない主婦にとって、牛の解体はもちろん、マグロの解体も気味が悪いのではないか?

 マグロの解体ショーは東日本大震災の被災地でもアトラクションとして行われた。牛やニワトリが駄目で、マグロは大丈夫という神経が不可解だ。

 そのうち動物愛護の盛んな国から、マグロの解体ショーは野蛮だとの声が挙がるかもしれない。(私は別に問題なしと思っているが。)