院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

俳句に季語は必要か?

2012-02-22 00:02:14 | 俳句
 現代俳句協会の金子兜太氏は、俳句には必ずしも季語は必要でないとの持論があって、季節を表す語以外で約束事の言葉、例えば「サラリーマン」などを「雑」という項目にまとめようとしている。

 一方、伝統俳句協会(ホトトギス)は、俳句は季節を詠むものであって、「雑」なぞはもってのほかとしている。

 伝統俳句協会は、無季の句を俳句と認めない。だから、無季の俳句という言葉さえ認めず、無季なら「一行詩」と名乗るべきだとの見解だ。川柳に「詩性川柳」という分野があるが、これは無季俳句と区別がつかない。まして、季語が入っていると有季俳句とも区別がつかない。

 例えば東大寺の「お水取り」は春の季語である。お水取りには、もうじき暖かくなるという含蓄がある。だから、詳しく述べなくても「お水取り」と詠むだけで、季節の気分が分かる。

 俳句は短い。その中に、いろいろなニュアンスを詠み込もうとすると、勢い季語の力を借りなくてはならない。

 だから、私は季語という「約束事」は必要だと思う者である。