(中央郵便局の小包分別機(1960)。郵政博物館のHPより引用。)
私は1960年代の郵便小包の扱いのひどさに対する恨みを忘れません。
そのころ、名古屋へ大切な蔵書を小包で届けました。油紙や糸入り包装紙で包め、荷札は6か所つけろと、条件がやかましいのです。でも、そのようにして、大事な本だからさらに毛布のようなものでくるみました。
そこまでしても、届いた書物はハードカバーの角が潰れていました。ここまでぞんざいに扱うか?よほどの悪意をもって叩きつけなければ、毛布でくるんだ本の角が潰れるはずがないと思いました。
その数年後、バレンタインデーにチョコを贈ることが流行り始めました。クロネコヤマトの宅急便が登場したのもそのころです。なんと、宅急便はチョコレートを壊さずに運びました。
とうぜんのことながら、小包なぞ利用する人はいなくなりました。あとになって「ゆうパック」なんて猫なで声を出してももう遅いのです。私はあのときに角を潰された蔵書をまだもっていますから・・。
※今日、気にとまった短歌
老人はすとんとうそをつきにけり牛乳に咽せたるふりをしてみせ (海津市)奥井朱夏