(テレビドラマ「どてらい奴」の1シーン。山善ミュージアムより引用。)
40数年前、私は名古屋の金山というところにあった6畳一間の下宿で、テレビドラマ「どてらい男」(「どてらい」は凄いの意。男は「やつ」と読ませました。)を見ていました。ひとりの男が才覚と運でのし上がっていく物語です。
脚本は花登筐(はなとこばこ)、主演は西郷輝彦で、歌手だった西郷が俳優としても認められた番組です。
私はとても気づまりな学生生活を送っていました。友人の下宿の廊下に捨ててあった白黒テレビを拾ってきてからは、私の生活にテレビ番組という花が添えられました。「どてらい男」はきわめて面白く、いっときホームシックを忘れました。
そのころ、梶原一騎とちばてつやによる「あしたのジョー」が人気でした。私には人気があるものを避ける癖があり、「あしたのジョー」は読みませんでした。
梶原一騎という漫画原作者も凄いが、花登筐という人も凄いと20歳ころの私は思っていたのでした。
※今日、気にとまった短歌
食卓の下に触れたる夫の足さっと引くこと昔はなきかな (小牧市)安藤恒子