院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ヴァーチャルアイドル・初音ミク

2012-03-02 00:00:10 | 技術
 ヴァーチャルアイドル、初音ミクが世界中で大人気だ。確かによく出来ている。

 身のこなしが女性のこなしである。身のこなし(身体技法)は実は男女で違いがある。あまり気が付かないけれども、身体技法の男女差は性同一性障害タレントの動作を見れば分かる。「彼女」の身体技法は女性のそれをよく模倣している。

 初音ミクが女性的な身体技法をとるように作るには、かなりの苦労が必要だっただろう。もっともメーカーが提供しているのは、歌唱合成ソフトとアイドルの静止画だけで、3Dで動くソフトはフリーウエアで別にあるというから驚く。

 声は合成音だが、それがかえって没個性的で受けているのではないか?いま、声優の声をさらに上手くサンプリングして、より自然な声にしようと努力しているようだが、それは逆効果である。個性が出てしまうと、観客は自分の勝手な投影がしにくくなる。

 もし、個性を出そうとするなら、いろんな個性の初音ミクを複数作るべきである。動きも少しづつ違ったものにして、グループにして送り出せば、かなり人気が出るだろう。初音ミクのキャラクターは一般開放されているらしいから、世界中のオタクが力を注げば、すごいものができるはずだ。

 やがて初音ミクの「追っかけ」が話題に上るだろう。ヴァーチャルアイドルでも「追っかけ」が発生することは、キャプテン翼に追っかけ少女がいたことから明らかである。(キャプテン翼の「追っかけ」については、昔このブログに書いた。)

バレエの出自

2012-03-01 00:00:03 | 文化
 幼少のころ、近所にバレエ教室があった。垣根から覗いたら、女の子たちが体操のようなことをしていた。バレエというものをまだ知らなかったから、何をしているのだろうかと思った。

 小学校に入って、同級生にピアノやバレエを習っている子たちがいた。ハイカラなことをやっているのだなと思った。

 友人宅で、子どもではなくお父さんがピアノを弾いていたので驚いた。自分の父親とはまったく違う人種がいるのだと知った。

 バレエやピアノを子どもに習わせている家は、少なくともうちよりブルジョアだった。だからか、バレエもピアノも金持ちがやるものだと思っていた。

 ところが先日、テレビでドガの絵画の解説をやっていて、新しいことを知った。ドガはバレリーナの絵で有名だ。

 ドガの時代のバレリーナは貧しい家庭の出身が多いというのだ。今と逆ではないか。

 当時、ヨーロッパではまだ男尊女卑で、女性が手に職をつけて独立するということは、ほとんどなかったらしい。

 そんな中で、バレリーナになることは、女性が自立するための数少ない道の一つだったというのだ。そうだったのか。そのような目で見ると、ドガの絵もまた別様に見えてくる。

 ドガの時代、わが国もそうだった。川端康成の「伊豆の踊り子」は、貧しい出身の旅の踊り子と一高生の淡い恋物語だ。「踊り子」の身分が低かったことは洋の東西を問わなかったのだなと、この齢になって分かった。

 (ドガの踊り子の映像)