市販の電波探知機では、チェックが困難であることをブログに書いたが「名張市つつじが丘おもちゃ病院」の方からコメントがあった。
「27MHz~2.4GHz対応のRFチェッカー(ラジコン電波検知器)の製作」で本当に詳しく分析されているので、製作してみることにした。トランジスタ技術2017/4月号でも記事がある。
使用している増幅/検波素子LT5534は国内でも入手可能だが、中国の直輸入だと安価と書いて有ったので注文し、先日届いたので製作に取り掛かった。
ICは非常に小さい(リードピッチ:0.65mm)ので変換基板を使うのだが、丁度良いのが無く一番近い0.95mmピッチのものが使えないか試したら、何とか半田付け出来た。
オリジナルはチップ抵抗が使われていて高周波特性が良さそうだが、アキシャル抵抗しかないので、中継ランドを使って部品やリード線を付ける。
波形を観測してみると、2.4GHzラジコン送信機の波形が見事出力される。
100Hz間隔になっている。
モニターしたのが分かりやすいので前述の製作記事にある様にNPNトランジスタでスピーカーを電流ドライブしてみるが音が小さいので、手持ちの「PAM8403 D級2 チャンネル 3W+3Wアンプ」を使う。121円なので、部品で作るより安価で簡単に出来る。音量調整のボリュームまで付いている。
PAM8403は2.5V~5Vが動作範囲で、LT5534は2.7V~5.25Vなので、3Vと5Vで動作させてみた。
実験用電源の他に、安価な昇降圧型スイッチング電源を試してみたがスイッチングノイズの影響はあまり無さそうだ。消費電流は少ないので電池駆動も可能だ。
2.4GHzでは、電波が弱いのでアンテナ(コンデンサのリード線)に近づけないといけないが、ちゃんと100Hzが聞こえる。
ペアリングするまでは弱いが、完了して動作状態になるとモニター音は強くなる。
27MHzラジコンは電波が強い(変調方法も違うので)ので離れても聞きなれた変調音が聞こえてくる。
広帯域(50MHz~3GHzでダイナミックレンジ60dB)の増幅ICで、入力帯域フィルタは入れていないので、パソコンやスマホからの電波も聞こえてくる。
RK04-12DST/Rの修理依頼があった。
電源ボタンを押すと、押している間だけLEDが点滅し、離すと消灯してしまい、受信機も受信していないという症状で、送ってもらい見てみることにした。
到着した当初は同じ現象だったが、そのうち点滅もしなくなった。
基板を調べてみると、電池の電圧は正常に供給されており、これを昇圧DC/DC-CONV用IC(XC6371-3.3V)で3.3Vに昇圧しているが、これは正常に動作している。
ところが、MOS-FETリレー(KAQV212S)が動作していない様(かえって出力ショートでOFF時でも電流がかなり流れて熱くなる)である。
MOS-FETリレーは無いので、PNPトランジスタ(2SA1015)で置き換え、素子はON/OFFするが、送信機としては動作しない。
クロックの水晶発振波形を見ると発振していない様なので8MHzの水晶に交換するが、押した時だけ発振する。
外部クロックを加えても動作しないので、これ以上は修理困難と判断し、先日のブログで紹介した1台目と同様に市販品に置き換えることで依頼者に了解をとり、作業をすすめる。
受信機は前回と同様に、プラ板による取り付けアダプタを製作して新ユニットを取り付ける。
表面の受信LEDは前回、リレー出力をダイオードORして点灯させたが、受信時点灯するLEDが見つかったので、その信号で点灯させる様にした(制限抵抗は1kΩでもOKだった)。
出力のケーブルは圧着スリーブで接続する様にした。
コネクタの圧着は、クリンチが不良で線材を引っ張ると抜けてしまうので、一旦ハウジングから引き抜き、半田付けした。