この議案は、認可保育園を民営化するための条例改正です。
議案質疑で、認可保育園の運営経費には、施設建設費用が含まれていないことが判明しました。
軽微な修繕は事業者が運営費補助の中から捻出することになりますが、保育園の建て替えは、大田区が行うということです。
運営費が補助され、建物代もほぼ行政が負担するとなれば、民営化における民間の経営努力や工夫はどのように発揮されるのでしょうか。
そのうえ、保育士の低賃金が社会的な問題になり、処遇改善費用が補助金として給付されています。また、同様に家賃補助も行われています。それでも、保育士の処遇はなかなか改善されたという話は聞きません。
一方で、区立認可保育園と私立保育園との運営経費を比較しましたが、0歳児の定員が少ないにもかかわらず、園児一人当たりの運営経費は、民営化前と民営化後であまり変化がありませんでした。
現在の民間と直営との運営経費の差も見ていますが、直営は保育士を多く配置しなければならない0歳児が多いことや保育士の採用を控えていることを考えれば、直営のほうが多少経費が高いのも説明がつきますし、民営化園の運営経費は直営に比べ特段安くないこともわかります。
そうなると、保育士給料の差額は、どこに使われているのかということになります。
株主配当や内部留保などこそ、区民から見れば無駄な費用ではないでしょうか。
保育という人を育てる事業に自由経済競争はなじみません。事業者の適否ではなく、認可保育園の民営化の仕組みに問題があり反対といたします。