大田区東蒲田のキネマ通り商店に面した敷地にあった建物の解体工事は、粉塵対策や安全策に問題があり、工事がストップしました。
安全策に問題のある工事がなぜ行われたのか、大田区長に質問状を出しましたところ、担当から以下のような回答が届きましたので、ご報告します。出した質問状も掲載します。
平成30年12月13日
工事の安心安全を求める会
代表 高橋和勧(キネマフューチャーセンター)様
中皮腫・じん肺アスベストセンター
代表 名取雄司 様
大田区 まちづくり推進部 建築調整課長
大田区 環境清掃部 環境対策課長
日ごろから区政にご理解とご協力を賜り深くお礼申し上げます。
平成30年12月3日付け「大田区内解体工事現場のアスベスト対策等についての質問書」について、所管部署より以下のとおり回答します。
この度の解体工事に関しては、地域の皆様からのご連絡を受け、区としても業者に対して指導を行っていたところですが、平成30年12月1日に解体工事が完了したことを解体工事業者へ聞き取りし、12月3日に区が現地確認していますので、先ずはご報告いたします。
さて、本件建築物解体工事に対しては、関係部署である建築調整課及び環境対策課が連携して、随時、解体現場の状況確認と解体工事事業者等への聞き取り調査を行い、石綿等の事前調査結果の掲示や石綿含有成型版の除去を含め、建築物本体の解体工事が適切に行われるよう解体工事業者に指導しました。この中で、コンクリート塊の落下等、地域の皆様からご連絡いただいた事項についても確認し再発防止を指導したところです。(ただし、石綿障がい予防規則を遵守した作業の確認につきましては、労働基準監督署の所管する業務であり、区は指導する権限がありませんので、関知しておりません)。
また、石綿含有成型板除去の際、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例第123条第2項の規定に基づく作業場の順守事項を適切に履行するよう指導しました。具体的には、破断面からの石綿の飛散を抑えるため人力作業により取り外すことと、防音シート、養生シート及び散水等により飛散防止措置に努めるよう指導しました。
区はこのような事例について、法令通り対応しております。
区では今後も引き続き、解体工事に関して法令や条例順守を関係部署が連携し、安全・安心な工事がお紺われるよう解体工事業者等に働きかけてまいります。
また、申し訳ありませんが、私的紛争がある場合に一方当事者からご質問がありましても、説明の場を設けることは原則として行っておりませんので、この点についてはご理解ください。
最後になりますが、今後も大田区政につきましてご理解・ご協力をお願い申し上げるとともに、今回のお返事とさせていただきます。
大田区 まちづくり推進部 建築調整課
建築相談担当
大田区 環境清掃部 環境対策課
環境調査指導担当
質問状
大田区長 松原 忠義 殿
工事の安心安全を求める会 代表 高橋和勧(キネマフューチャーセンター)
中皮腫・じん肺・アスベストセンター 代表 名取雄司
担当者:永倉冬史 電話番号:03-5627-6007
FAX:03—3683-9766
mail:info@asbestos-center.jp
永倉携帯(緊急連絡先):090-1408-4136
大田区内解体工事現場のアスベスト対策についての質問書
記
貴職の大田区環境対策への日ごろのご尽力に敬意を表します。
大田区東蒲田2-20-3の建築物の解体工事が、2018年8月28日から始まりました。この工事は東蒲田キネマ通り商店街で軒を接する民家に挟まれ、狭い区域で大変危険な状況で行われています。
9月10日には、解体途中の壁のコンクリートの大きな塊が道路に落下し、幸い人への被害はなかったものの近隣の住民は大変な恐怖を感じました。また、作業を行っている外国人と思われる労働者は、2メートル以上高さの梁に安全帯もなく登って解体作業を行っていました。また、周辺の住民が大変心配しているアスベスト建材の事前調査、安全な除去工事についてのお知らせなどもない状態で工事が進みました。
9月12日から、大田区建築調整課、大田労働基準監督署、また、10月19日に蒲田警察署に連絡し、安全性の確認を要請しました。
しかし、住民の要望にも関わらず、大田区環境課は住民の安全な工事の確認と法律を守らせる指導を行うどころか、問題はないから解体工事を遂行してもいいとの判断を示し、アスベスト建材の撤去作業が違法なまま行われました。
このような行政指導はあってはならないことだと考えます。
このような事態を踏まえて、以下の質問に 12月 14日までにご回答ください。また、回答をお示しいただく際に回答内容をご説明いただく場を設定してください。
質問
①前段にお示ししました経過について、区長は報告を受けていますか。
②当該工事現場にはアスベスト含有建材と思われる壁材の使用が確認されています。大気汚染防止法第18条の17に示された事前調査が行われたかどうかの確認、同調査結果の掲示について、大田区環境課はどのような指導をしましたか。ご指導の記録をお示しください。
③アスベスト粉じん対策が不十分な場合、当該工事現場のように、周辺住民との距離が全くないような工事現場では、作業現場内とほぼ変わらないアスベスト汚染が周辺に及ぶことは火を見るよりも明らかです。工事業者が適切に石綿障害予防規則を順守したうえでアスベスト除去作業を行ったかについて、大田区環境課はどのように確認されましたか。
④区民の安全と命を守る業務を付託されている大田区は、このような小規模工事で、住民が密集している地域での解体工事について、アスベスト含有建材撤去工事のアスベスト対策について、過去にも同じような指導を行ってきたものかご回答ください。
⑤アスベスト除去対策以外にも、壁材の幅1メートルを超えるようなコンクリート塊が子供たちの通学路に落下し、労働者が安全帯の着用もせずに梁の上で作業するような危険な工事を行っていることを周辺住民から通報を受け、区は工事業者に対しどのような対策を行いましたか。
以上