フェアな民主主義奈須りえです。
第八十五号議案 平成27年度大田区一般会計補正予算(第5次)
につききまして、反対の立場から討論いたします。
この補正予算には、保育士処遇改善費用が計上されています。
いま、保育士の不足や処遇が大きな社会問題化していますが、これは、なんとなくおきているのではなく、地方分権で保育を自治事務にし、小泉政権の時の三位一体の改革で、公立保育園の国庫補助金を廃止し、保育は一般財源の中で基本的に行うことになったため、自治体負担の少ない認可外保育所に誘導されたことによりおきている問題です。
私立保育園は補助金がつくけれど、公立の保育園は補助金がつかないため、私立保育所、中でも財政負担の少ない認可外保育所に財政的に誘導されているという国の政策も背景にはあります。
待機児の問題は、自治事務となった保育の責任を自治体が果たせているのかという問題。そして、それを三位一体改革と補助金で私立保育園、認可外保育所に誘導してきたいまのしくみが、待機児対策として、また保育士の処遇も含め大丈夫なのかという問題でもあります。
今回、国が処遇改善費用を補正予算で措置したことは、悪くはありませんが、これは、果たしてどのような意味合いを持つのでしょうか。継続的に保育従事者の処遇は改善されるべきものですが、そうなるのでしょうか。
単発的な補正予算では、問題の根本解決にはつながりません。
待機児をどうやって解消するのか。現在の待機児対策のどこに問題があるのかといった、保育施策の根本的な課題の議論無く、処遇改善費用を計上することは、今年行われる参議院議員選挙の選挙対策とみられてもおかしくなく、問題の先送りにしかなりません。
また、同時に計上されているシステム経費ですが、仕事回し、企業連携の成功は、地域の町工場などの強み、特徴を熟知したキーマンの存否にかかっています。システムを作れば、仕事回しがうまくいくならこんなに簡単なことはありません。
活用されることに疑問があり反対です。