大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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子育て世帯に選ばれない大田区を誘導するデータブックを作成した大田区の真意と、奈須りえ的データからの視点、考えるポイント

2023年11月16日 | ●議会・委員会

大田区政は、目指すべき方向性を描き、そこへ向かって区政運営をしています。
(そうは見えないかもしれませんが、、、)

2008年に作った現在の基本構想が「社会が大きく変化したので」「目指す将来像を再検討するときに来ている」ということで、大田区は、新たな基本構想に着手しています。

新たな基本構想を検討するにあたり、大田区が出してきた資料集(=「データブック」と大田区は呼んでいます。)をみたら、0~4歳の転出が23区で一番多いと書かれていました。

これを聞くと、子育て世代から好まれない区という印象にならないでしょうか?

ところが、大田区の人口は23区で3番目。

人口数を考慮すると、転出はそれほど多いわけではありません。

大田区が0~4歳のお子さんがいる世帯の転出数が23区で一番多い、というデータを掲載したことは、ある種の誘導的な切り取りとは言えないでしょうか。

こうした、誘導的なデータの切り取りをすることで、大田区は、新たな基本構想策定に、何か、盛り込みたいことがあるのではないか、と懐疑的になってしまいます。

 

子育て世帯に選ばれない、選ばれるために○○を作る、買う、、、ああ、ここにも税金???

みなさんは、どう思われますか?

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大田区はじめ、自治体は、「基本構想」に目指すべき方向性を描き、そこへ向かって区政運営をしています。
(そうは見えないかもしれませんが、、、)

2008年に作った現在の基本構想が「社会が大きく変化したので」「目指す将来像を再検討するときに来ている」ということで、大田区は、新たな基本構想に着手しています。

新たな基本構想を作り替えるべきという点では一致していますが、方向性が違っているようです。

私は、2008年版で、区民に事業者を入れたことが、利潤追求する企業と連携する大田区を作ってしまっていて、そこを総括、反省すべきと考えていますが、大田区は、拍車をかけようとしていて問題だと思っています。


新たな基本構想を検討するにあたり、大田区が出した資料集(=「データブック」と大田区は呼んでいます。)も、注意をして読んでいます。

そのデータブックをみたら、0~4歳の転出が23区で一番多いと書かれていました。

 



これを聞くと、子育て世代から好まれない区という印象にならないでしょうか?

ところが、大田区の人口は23区で3番目。


人口に対する、提出超過数の多い順に並べたら、大田区は23区中12番目でした。

人口数を考慮すると、転出は、23区中ちょうど真ん中くらい。人口が多いから、転出超過数は多く見えますが、他区に比べ、子育て世帯から嫌われている、あるいは選ばれていない、わけではありません。

 

しかも、

子育て世帯が、引っ越しを考えるのは、どんなときか考えたのですが、


・子どもが生まれて家が手狭になったから、
・こどもの教育で、
・保育園が、
・転勤など仕事で、


などが考えられると思うのですが、
マイホームの購入に一番影響されるのではないでしょうか?

保育園の待機児問題もだいぶ落ち着き、昨今の不動産価格の高騰で、東京の不動産を買いにくい、借りにくい、と考えるのが自然ではないでしょうか。

テレワークで、これも価格も影響しますが、広さや自然環境など総合的に考えて、郊外を選ぶ方も増えたと聞きます。

 

そもそも、子育て世帯向けの住宅が貸し出されたり、売りに出されなければ、転入は起きにくいという状況もあります。

 

なぜ、子育て世帯に選ばれていない、などという誤解を生むようなデータを出したのでしょうか。


しかも、このグラフは、子育て世帯の転出者が「多い」という印象を受ける表し方になっています。

図のピンクの手書きラインに注目するとわかるのですが、転出、転入は右軸で、転出入の結果は、左軸になっていて、
緑とオレンジの差の、青棒を長く見せているのです。

 

早速をそれを議会質問で取り上げる議員も何人かいて、誤解しているなあ、と思います。

 

良い機会だったので、

マイホーム購入が一つのきっかけで、大田区に、転入していらっしゃる方は、どのくらい増えているか、減っているか、調べてみました。


インターン中の大学生に調査を手伝っていただき、東京都の建築統計と大田区の建築資料をまとめました。

新築件数を調べ

人口の多い区についていくつかみた結果が以下のグラフです。

人口が多い区は、新築数も多いのですが、練馬区は、大田区より人口が多いのですが、新築数は少ないなど、
大田区の新築数が、世田谷区に次いで二番目に多いことがわかりました。

また、思ったより、賃貸を目的とした住宅数が多いことが分かったのも調査の成果でした。

賃貸の新築が多いけれど、転出者数が大田区が一番多いのは、ワンルームなど単身世帯向けが多いのではないかと思い、
ワンルームが何戸建てられたのか、調べようと思いました。

令和4年12か月         (戸数・件数)
  持家 貸家 給与住宅 分譲住宅
世田谷区 8845 1418 4890 15 2522
大田区 7880 771 4759 68 2282
練馬区 5610 838 2674 5 2093
杉並区 5446 878 3158 11 1399
江戸川区 5165 461 2605 6 2093
品川区 4999 400 3355 11 1233
江東区 4180 224 2827 0 1129


ワンルームマンションで統計を取っていなかったので、
大田区のまちづくり条例の大田区との協議の結果を情報公開請求し、40㎡以下のマンション戸数と、40㎡より広いマンション戸数をだしてみたところ、

 

令和3年=2021年度は

40㎡≧ 3146戸  40㎡< 1095戸   

 

令和4年=2022年度は

40㎡≧ 2400戸  40㎡< 1425戸

でした。

 

建築統計と、まちづくり条例の40㎡以下と、それ以上の住宅戸数は、建築統計と必ずしも一致しませんが、
ワンルームを含む、40㎡以下のマンションが多いことがわかりました。
ある程度、予想はしていましたが、あらためて、数字であらためて確認することができました。

 

一方で、
2021年と2022年で、大きく変わったのが、40㎡以上が増えたことです。


2021年の建築統計も集計すれば、より明確になると思いますが、最近、一棟を一人のオーナー(企業)が所有し、賃貸に出すケースが増えてきているように感じます。

また、大田区の、世論調査のアンケート結果からも、全体的に持家が減り、賃貸住宅に住む方が増えてきています。

ネットなどで、持家ではなく、賃貸へ誘導するような発言も目につきます。

物価の高騰や、金利の上昇リスクなどもあり、どちらを選ぶべきとは言えませんが、
個人が所有する不動産を貸し出すケースから、企業が賃貸業を行うようになっているのは、
ひとつの傾向ではないかと思います。


それが進み過ぎれば、賃料の主導が、貸主側に移行する可能性もあり、気になるところです。

 

 


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