大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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大森南の土壌中に含まれるアスベスト処理についての公開質問と大田区の回答

2009年12月25日 | ├.環境・エネルギー・廃棄物・アスベスト

 大森南の土壌に含まれるアスベスト処理については、飛散防止策をとらずに土壌を掘削した経緯もあり、安全性の確保において不安が残ることから、工事再開を前に大田区に対して公開質問状を提出していました。
 
 大田区に投げかけた質問内容とその回答について報告します。

 現在、私の知りうる限り大田区、さいたま市、川崎市の3か所で、土壌に含まれるアスベスト処理の問題が起きています。
 法規制のすき間にある、土壌中のアスベストの問題は、各自治体のアスベストという物質に対する認識の度合いや住民の安全確保への意識の程度、地元議会や住民の意識により、その対応も異なっています。

 大田区は、4億円という莫大な税金を投入しながら、その処理については、同程度の面積で当初処理費用4000万円を計上したさいたま市に大きく後れをとっています。

 同じ土壌のアスベスト処理でありながら、処理方法や費用が大きく異なるのはなぜなのでしょうか。その結果、住民の安全が確保されないようなことは無いのでしょうか。

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質問項目とそれに対する大田区の回答。
 
■質問①■

事前作業の瑕疵について、客観的な原因の究明が行われていないが、その調査と調査結果の公表は行われないままに工事再開されるのか。

■大田区の回答①■

今回の問題は、区の発注において、事前調査の段階でアスベストが見つからなかった場所は置換しないこととしていたため、タイヤ洗浄機を設置するという別の目的で掘削したところ、後になって同様の物質の存在がわかり、対応が一日遅れたところにあります。このことは、区の発注の仕方や置換対象外区域に対する考え方などを施行者に十分伝えきれていなかったことに因るものであり、11月6日の説明会において説明させていただいたところです。


*大田区の回答について①*
 区は、説明会において、事故の原因を説明したと言っています。
 そもそも、10m間隔(一部5m間隔)で行った土壌調査をもとに、調査を行っていない部分についてのアスベストの有無を決めることは困難であり、見つからなかった部分をアスベストが無いとした区の判断に問題があったと言えるでしょう。
 問題は、作業計画書無しに工事を開始したこと、そして、それを区が指導していなかったことにありますが、そうした問題について、区は、まったくふれていません。
 作業計画書が無いということは、区が、工事の内容や進捗状況について、全く把握せずに工事をスタートさせたということであり、業者は、計画無しに独自の判断で工事を行っているということです。こうした、杜撰な管理体制に問題があったのではないでしょうか。
 しかも質問⑤でふれていますが、事故後施工計画書の変更をするようですが、変更の内容も定まらないままに、工事は再開しています。
 これでは、根本的な、問題は何も改善されていないのではないでしょうか。



■質問②■

事前作業の際に、工事業者の石綿作業主任者が工事現場にいたと事業者は証言しているが(11月6日、工事説明会)、石綿作業主任者がいたにもかかわらず、アスベスト粉じん防止対策を取らずに土壌を掘り返したことは見逃せない重要な工事の瑕疵と考えらる。このことは今後同様の事態が発生した場合、石綿作業主任者が粉じん防止の機能を果たせないことを意味する。この点についての責任の所在と、今後の改良点はどのようなものか。


■大田区の回答②■

今回は、前述のとおり区の発注に基づきアスベストの存在自体を前提としていない作業であったため、石綿作業主任者もそうした認識に立っておりませんでした。11月19日の説明会でもお話しさせていただきましたが、今後は、全エリアの土壌について、アスベスト含有を前提とした作業を行うとともに、石綿作業主任者を含む作業関係者全員に今回工事に特有な作業の注意点や作業手順を徹底しました。


*大田区の回答より②*
 大田区は、今回の事故後、アスベストのコンサルを毎日、工事現場に配置することにしています。
 専門家による安全性のチェックは悪くありませんが、石綿作業主任者の役割は機能していないということでしょうか。
 コンサルの配置費用は、どこが負担するのでしょうか。
 区は、この間、当初受けていた説明とは異なる説明を行ってきています。
 当初は、飛散防止策をとらずに掘削したと説明しましたが、そののち、散水したと変わりりました。
 また、石綿作業主任者はいなかったと言いながら、当日はいたにかわっています。
 説明会の周辺住民への周知も、敷地隣接住民だけだったのが、町会に知らせたという意味で、全戸配布したかどうかはわかりませんが、大森南四丁目に知らせたにかわっています。
 全てが、大田区に有利な内容に変わっていることに不信感を覚えます。
 

■質問③■

事前作業が行われたときに、同作業を行った労働者、周辺で作業を行っていた作業者、近隣住民等のアスベスト粉じんばくろが考えられる。事前作業は何月何日から何月何日の何時から何時頃まで行われ、アスベスト粉じんの発生はどの程度の濃度でどの方向に発生したと考えられるか。また、作業者や近隣住民のばくろ程度とリスク値はどの程度と考えられるか。(文京区さしがや保育園や、佐渡史両津小学校ではリスク値を算定し公表しています。)

■大田区の回答③■

今回のタイヤ洗浄機設置のための掘削作業は、作業中の粉じん飛散防止の目的で適宜散水を行いながら、10月22日の9時から11時までの2時間行いました。当日は、その他の作業を17時の場内閉鎖まで行い、翌23日は、7時半の開場から飛散防止措置が終了する14時30分まで作業を行っています。そのため、掘削により掘り出された土の山が22日9時から23日14時30分まで露出する結果となってしまいました。なお、アスベストの大気中濃度については10月27日測定のものしかなく、そのデータではアスベストの飛散は確認されておりませんが、アスベストの存在が疑われた23日の時点でのデーターはなく、不明です。

 *大田区の回答より*
  当日の作業をもとに、風力や風向などを加味し、アスベストの飛散状況について回答を求めましたが質問に答えていただけていないのが残念です。
 他の自治体では行っているリスク値算定も大田区はしないということです。



■質問④■

事前作業が行われたときに、同作業を行った労働者、周辺で作業を行っていた作業者、近隣住民等のばくろ記録を50年間保存する必要があると考えるが、このアスベスト粉じんを発生させた事故報告書とばくろ記録の保存は行われるのか。


■大田区の回答④■

今回のことにつきましては、今後のアスベスト関係の作業の参考にするためにも整理する予定ですが、50年間保存するものとは考えてございません。


*大田区の回答より*
 この内容は、質問⑥にもかかわりますが、作業従事者や周辺住民などのために質問したものです。
 将来、万が一にも、アスベストに起因する疾患が現れた場合に、区の責任を明確にする必要があります。それが、工事発注者としての責務です。
 区が、作業従事者や、周辺住民に対し、何が起きたのか、そしてそれを大田区が起こしたことについて、説明すべきですが、区はそれさえ行わないということです。
 

■質問⑤■

施工計画書の書き換え版は、誰が内容の安全性を確認し、安全性を担保するのか。また、改訂版の住民への説明会は行われないのか。行われないとすれば、その理由を説明されたい。


■大田区の回答⑤■

施行計画書の改定は、専門家のアドバイスを受けながら、区の責任において、確認してまいります。大気中のアスベスト濃度測定を週2回に増やす、風速測定の状況が外から分かるようにディスプレーを付ける、エリアごとに掘削が終わった段階で、4点の試掘を行うなどの変更の内容については、11月19日の説明会でお話ししているところです。


*大田区の回答より*
工事が再開していながら、施行計画書の改定さえ行っていないということですが、何をもとに工事を行っているのでしょうか。



■質問⑥■

事前作業で行われた事実について、説明会案内ではなく、周辺住民に知らせる必要があるが、周知した範囲や対象はどうだったか。また、それがおこなわれていない場合や、極端に限られた範囲の周知にとどまるなら、再度、ポスティング・区報・大田区HPなどで周知する必要があると考えるが、そのことについての大田区の考え方を示されたい。

■大田区の回答⑥■
11月6日および19日の説明会は、6月8日の事業計画説明会、7月8日の土壌置換工事計画説明会同様に大森南四丁目全域にお住まいの方を対象としてご案内を配布しております。

*大田区の回答より*
 ここまででも、ふれていますが、関係する周辺住民や作業従事者に何が起きたのか十分に知らせていません。
 しかも、調査も、記録も不十分で、アスベスト事故を起こした自治体の対応として不十分であると言わざるを得ません。


 
 今後は、大田区、さいたま市、川崎市の3自治体の対応について、市民間で情報交換しながら、適正なアスベスト処理のための方策について連携して取り組んでいきたいと考えています。
 


なかのひと

 


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