いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

リニア(新幹線)の意義。 linear significance

2014-11-14 19:41:40 | 日記
 (1)27年の東京~名古屋の開通を目指すリニア中央新幹線(linear central new line)で山梨県のリニア実験線で一般客対象の試乗会(trial tripー抽選)が行われて公開された。
 子どもから高令者まで時速500キロ超の2分間の「旅」を体験したが、公開された映像から撮影報道カメラはかなりの揺れが見られたが、座席に坐った乗客の表情はにこやかで窓外にカメラをかまえる人、車内のモニターを写す人など500キロ超の「旅」を存分に楽しんでいる様子が見てとれた。

 快適で安全なリニア走行技術の高さが感じられた。開通すれば東京~名古屋が40分で結ばれて、料金も現在の新幹線とそんなに変わらない設定が考えられており、経済効果が期待されている。

 (2)名古屋では東京圏に吸収される経済、文化の埋没感も危惧されて、リニア中央新幹線開通による名古屋の発展について考える勉強会が開催された。
 名古屋では河村市長が中京都構想を立ち上げて都市機構改革を目指しているが、県との考えの違いも浮き彫りになって具体的な計画案は進まずにいる。

 この中京都構想を話し合うメンバー中心の勉強会では、雇用の拡大、産業振興、インフラの拡大(報道)を求める意見が出て、世界的なイベントの誘致を提案する(同)意見も出されたという。
 同試乗会での愛知県からの試乗者も「出張で東京に行く機会も多く早く開通してほしい」(報道)と期待を述べている。

 (3)しかし名古屋市が危惧するのは、東京~名古屋が40分で結ばれることによる名古屋の東京化埋没への危惧だ。ほぼ名古屋中部圏までが東京圏に組み込まれて一体化して、名古屋の特色が消えることの危機感がある。

 名古屋はトヨタ自動車中心の中京産業中核都市として多くの中小製造業を抱えて、デフレ不況時の日本でも名古屋、愛知県の産業界だけはひとり堅実に成長発展を遂げていたことがある。独自の中京経済圏を構成している。

 (4)この独自の中京経済圏がリニア中央新幹線開通で東京一極集中に取り込まれる独自性、市場性、産業機能性を失う危惧感だ。新幹線は青森~函館開通で北海道から九州鹿児島まで結ばれて大動脈がつながった。

 過疎地域の沿線ではこれで人口流通、経済開発への期待も高まったが、逆にほとんどが日帰り可能客となりこれまで宿泊客で維持していた地域の観光、産業がすたれた(報道)事例もある。

 (5)田中角栄元首相は都市と地方の格差を新幹線と高速道路で結べば発展解消すると日本列島改造論をぶち上げたが土地の高騰、格差拡大を招いて、一部の利益者優遇の既得権益政治の腐敗を招いて東京一極集中に拍車がかかり地方の過疎化は一向に解消されていない。

 リニア中央新幹線は技術開発の持続的発展の成果であり、日本の高い産業技術力を広い大陸の海外にアピールするものでもあり、輸出産業としての可能性への期待もある。
 狭い日本で現在の新幹線でも東京~名古屋を90分で結ぶ中で40分のリニア経済効果が必要なのかの問題はある。

 (6)災害国日本として海岸沿いを走る現在の動脈新幹線の災害安全代替としての内陸部リニア中央新幹線の意味はあるが、むしろ東京~名古屋間の大同エリア内の人口流通、経済開発、文化交流促進による政治、経済機構革命構想につながるものとしての捉え方はある。名古屋が埋没する危惧である。
 リニア効果として財政、税制上の地方分権化を進めて、東京機能の地方分散を進める準備が必要だ。
 

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