いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

川内原発再稼働の不安。 anxiety of reoperation of atomic power plant

2014-11-08 19:38:45 | 日記
 (1)原規委のあたらしい安全基準審査に合格した九電川内(せんだい)原発が地元市、県議会、首長の同意を受けてトントン拍子で再稼働が決定した。
 安倍政権が将来エネルギー基本計画に原発再稼働(reoperation of atomic power plant)の必要性を唱えているが、そのベストミックスを10年先送りして原発再稼働に政府方針を明確にしたわけでもなく、あいまいなまま原規委に原発再稼働安全審査はまかせて原発再稼働の許可は政府、原規委双方が押し付け合うという国の方針が定まらない中でのトントン拍子の九電川内原発再稼働の地元同意だった。

 (2)地元の同意は電力事業者と地元自治体との安全協定に基づくだけのもので(法的規制はない)、九電は立地自治体(薩摩川内市と鹿児島県)にのみ同意を求めて、原発再稼働に懸念を示す周辺30キロ圏内の自治体には対応しなかった。

 青森県大間町の原発建設計画に対しては、海峡を挟んだ函館市長が同原発建設反対を訴えて原告訴訟を起こしている。
 福島第一原発事故は廃炉までが40年以上の時間を要し、事故後3年半を過ぎた現在も帰宅困難地域を残し汚染廃棄物の処分場でも受け入れ調整が難航し、東電の同原発事故対応計画も半年遅れとなり見直しが必要になっている。

 (3)福島第一原発事故対応が計画通りに進まずに、原発立地周辺自治体からは原発再稼働への不安(anxiety of reoperation of atomic power plant)、懸念が示されるなど原発再稼働の信頼性に確固たる解決策(solvability)を示せない中での、さらに原発再稼働がなくても今夏の電力需給に問題はなかった国内社会事情の中での闇雲の九電川内原発再稼働の同意だ。

 原規委が世界一の安全基準審査だと言ってみてもかっての崩壊した原発「安全神話」をくつがえすものではなく、経済界、電力事業者の安定した経済経営活動の要請に応えるだけのまったく不安定な根拠に基づく急いだ川内原発再稼働シナリオだ。

 (4)政府の確固たる将来エネルギー政策の見直し策定もなく、国民の合意もなく、どれもこれもがあいまいなままの出たとこ勝負の手順を急いだ結果だ。
 国の重要政策、将来エネルギー政策としての原発問題が確固たる政策根拠もないままに、原規委と電力事業者と立地自治体の三位一体だけでトントン拍子に再稼働を推進するというこれは異常事態というべき現象だ。
 法治国会の理念に反して、国民主権としては理解しがたいものだ。

 (5)原発立地周辺自治体の不安、懸念は関係自治体市長原告による訴訟中であり、結論(結審)を急ぐとともに政府、東電を含めて原発事故対応の確固たる責任ある解決策を示して、国民に理解を求めて合意形成のうえでの原発再稼働を考えることでなければ社会、国民意識に受け入れ難い「断絶」を招くことにもなる。

 それは原発立地自治体と周辺自治体、都市と地方の「隔絶」であり(separated)、安倍政権が掲げる地方創生にも影響を及ぼすインバランス(imbalance)になるだろう。

 

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