(1)6年前に「We can change」でイラク侵攻の泥沼化の共和党ブッシュ前大統領に代わって、変革を期待されて登場した米国初の黒人大統領のオバマさんの09年1月大統領就任時の期待通りの67%の高い支持率は、今年10月には41%(報道)に下降して不支持率が過半数を超えて55%とまったくの不評判だ。
2期目の民主党オバマ政権の国民審判となる米国議会の中間選挙の投票が明日行われるが、この選挙期間中、報道によると民主党候補者からのオバマ大統領への選挙応援依頼はなく、逆にオバマ大統領と距離を置く選挙戦術の候補者が多くなったといわれる。
予想では現在も共和党優位の下院に加えて、民主党優位の上院も共和党が制する可能性が高いといわれている。
(2)米国大統領は議会ではなく国民が直接選ぶとはいえ上下両院が共和党優位となれば、民主党オバマ大統領にとって今後残り任期2年の議会運営は今まで以上に厳しいものとなるのは確実だ。
なんだかんだ言っても米国経済はGDPで世界2位の中国の2.5倍と別次元の規模で世界経済をリードする立場にあるが、国内事情は1%の超富裕層がその他99%を支配する経済構造ともいわれて、不公平、格差社会への不満が根強い。
オバマ大統領への変革の期待は、ヒスパニック系、黒人支持層の不公平、格差社会解消への支持であったが、今回は報道によると今や米国社会で大きな存在となったヒスパニック系からの不満、不支持による民主党の中間選挙大苦戦の様相だ。
(3)オバマ大統領としては就任当時(09年)は10%を超えていた高い失業率を今年9月には5.9%(報道)にほぼ半減して、10月にはFRBが米国経済、景気回復感からこれ以上の経済支援は必要ないと6年続けた量的金融緩和を終了させたほど(日銀さらに追加金融緩和策を継続)の経済回復基調にある。
しかし黒人、ヒスパニック系住民を中心に「99%」層には景気回復感は行きわたらず(米国経済が「悪くなっている」・「変わらない」計71%-世論調査)期待された6年前の支持を失っている。
(4)米国社会、経済構造特有の自主独立、アメリカン・ドリームからくるパラドックス(paradox)としての不公平、格差社会がオバマ大統領の「成果」を影の薄いものにしている。
オバマ大統領が弱者救済政策として優先政治課題として打ち出した医療保険制度改革(日本の皆医療保険加入制度と似たシステム)は、自分のことは自分で責任を持ち、面倒を見る自主独立精神社会の中では議会、国民の理解、支持を得られずに苦戦の末に時間をかけて議会対策のうえにようやく成立(10年3月)させたのは評価すべきことだ。
(5)オバマ大統領は6年の間に目立った政策的成果は見られないとはいえ、国内政治上はむずかしいねじれ議会対策、米国社会理念の中で「変革」を実行したのではないのか。
米国の大統領に求められるのは、なにより国際政治、社会での強いリーダーシップだ。すっかりロシアのプーチン大統領の立ち回りのよさにその座を明け渡した感のあるオバマ大統領の「弱腰外交」がやはり不人気、不支持の原因だ。
(6)シリア、イラクへの内戦関与のブレ、遅れが「イスラム国」の台頭を招いたとはいえ、シリア国内の化学兵器使用問題では軍事介入直前まで強行して結果としてシリア支援のロシアの調停、国内化学兵器国際管理廃棄を引き出したのは評価すべきだ。
(7)かっての覇権国家としての米国大統領の強いイメージはないが、これは時代が変わった結果ともいえる。
国際政治の影響力は先進国G8から経済成長の著しい新興国を含めたG20に軸を移して多様化している。米国だけが覇権国家として世界をリードする時代でもない。
しかし頭ひとつ抜け出た比較強い経済力を背景に、イラクから軍事力を撤退し、シリア内戦にも関与せずに、長年対立関係のイランとも核開発停止でつき合い、そこそこに政治的影響力を見せるオバマ大統領の指導力程度が国際政治、社会、世界にとってはいいのではないのか。
(8)オバマ大統領の国内政治、経済、国際政治、外交力はもっと評価(changing appraisal of president obama)されていいものだ。米国が変わらなければならないのだ。
2期目の民主党オバマ政権の国民審判となる米国議会の中間選挙の投票が明日行われるが、この選挙期間中、報道によると民主党候補者からのオバマ大統領への選挙応援依頼はなく、逆にオバマ大統領と距離を置く選挙戦術の候補者が多くなったといわれる。
予想では現在も共和党優位の下院に加えて、民主党優位の上院も共和党が制する可能性が高いといわれている。
(2)米国大統領は議会ではなく国民が直接選ぶとはいえ上下両院が共和党優位となれば、民主党オバマ大統領にとって今後残り任期2年の議会運営は今まで以上に厳しいものとなるのは確実だ。
なんだかんだ言っても米国経済はGDPで世界2位の中国の2.5倍と別次元の規模で世界経済をリードする立場にあるが、国内事情は1%の超富裕層がその他99%を支配する経済構造ともいわれて、不公平、格差社会への不満が根強い。
オバマ大統領への変革の期待は、ヒスパニック系、黒人支持層の不公平、格差社会解消への支持であったが、今回は報道によると今や米国社会で大きな存在となったヒスパニック系からの不満、不支持による民主党の中間選挙大苦戦の様相だ。
(3)オバマ大統領としては就任当時(09年)は10%を超えていた高い失業率を今年9月には5.9%(報道)にほぼ半減して、10月にはFRBが米国経済、景気回復感からこれ以上の経済支援は必要ないと6年続けた量的金融緩和を終了させたほど(日銀さらに追加金融緩和策を継続)の経済回復基調にある。
しかし黒人、ヒスパニック系住民を中心に「99%」層には景気回復感は行きわたらず(米国経済が「悪くなっている」・「変わらない」計71%-世論調査)期待された6年前の支持を失っている。
(4)米国社会、経済構造特有の自主独立、アメリカン・ドリームからくるパラドックス(paradox)としての不公平、格差社会がオバマ大統領の「成果」を影の薄いものにしている。
オバマ大統領が弱者救済政策として優先政治課題として打ち出した医療保険制度改革(日本の皆医療保険加入制度と似たシステム)は、自分のことは自分で責任を持ち、面倒を見る自主独立精神社会の中では議会、国民の理解、支持を得られずに苦戦の末に時間をかけて議会対策のうえにようやく成立(10年3月)させたのは評価すべきことだ。
(5)オバマ大統領は6年の間に目立った政策的成果は見られないとはいえ、国内政治上はむずかしいねじれ議会対策、米国社会理念の中で「変革」を実行したのではないのか。
米国の大統領に求められるのは、なにより国際政治、社会での強いリーダーシップだ。すっかりロシアのプーチン大統領の立ち回りのよさにその座を明け渡した感のあるオバマ大統領の「弱腰外交」がやはり不人気、不支持の原因だ。
(6)シリア、イラクへの内戦関与のブレ、遅れが「イスラム国」の台頭を招いたとはいえ、シリア国内の化学兵器使用問題では軍事介入直前まで強行して結果としてシリア支援のロシアの調停、国内化学兵器国際管理廃棄を引き出したのは評価すべきだ。
(7)かっての覇権国家としての米国大統領の強いイメージはないが、これは時代が変わった結果ともいえる。
国際政治の影響力は先進国G8から経済成長の著しい新興国を含めたG20に軸を移して多様化している。米国だけが覇権国家として世界をリードする時代でもない。
しかし頭ひとつ抜け出た比較強い経済力を背景に、イラクから軍事力を撤退し、シリア内戦にも関与せずに、長年対立関係のイランとも核開発停止でつき合い、そこそこに政治的影響力を見せるオバマ大統領の指導力程度が国際政治、社会、世界にとってはいいのではないのか。
(8)オバマ大統領の国内政治、経済、国際政治、外交力はもっと評価(changing appraisal of president obama)されていいものだ。米国が変わらなければならないのだ。