(1)最難関の国家試験とされる司法試験、今年は合格者が1525人と12年以降で最少(報道)となった。議員同様に将来生活への保障も薄く、なり手不足が続いて司法試験を目指す法科大学院も定員不足が増えて、募集停止のところも多くなった。比例して法科大学院を経ない資格試験受験者が増えた。
かっては500人程度の合格者(報道)で一定の資質が保たれていたが、日本社会、国民も訴訟で問題を解決する社会性が増えて裁判官の不足が問題となって、政府は「10年には年間3千人程度」の司法試験合格者目標を閣議決定し全国大学に法科大学院を立ち上げて推進したが目標に届かずに、政府目標も1500人程度に半減していた。
(2)裁判官の不足を補うために裁判員裁判制度を導入して対応しているが、日本の国民の風土、文化に合わないこともあって近年は辞退者も多くなり、また上級裁判所が裁判員裁判の判決を否決する例も出て、国民感情を判決に取り入れるとした司法自体が裁判員裁判趣旨、制度を否定するというパラドックス(paradox)な不合理性もみられる。
裁判官の資質が問題とされる判決もみられて、沖縄辺野古移設埋め立て承認取り消し訴訟では最高裁がそもそも沖縄県知事に国の政策に従わない権限は認められないとして門前払いにするなど政府寄りの判断が前面に出るなど、三権分立の理念、精神が損なわれている現実だ。
(3)裁判官個人でも、かって国の防衛政策を公然と批判する意見を発表して免職する事例もあり異色な裁判官もいたが、今回担当していない民事訴訟に関してツイッター上に不適切な批判投稿をしたとして懲戒を申し立てられた高裁裁判官が、最高裁の審問で弁明し「表現の自由」(freedom of expression)であり懲戒に当たらないと述べた。
裁判官が個人として他の裁判の判決に異論を唱えては司法の独立性は保てない。そもそも人が人を裁く不条理性(unreasonableness)の裁判で三審制が施行されて、最高裁が最終判断、判決を下すものだ。
(4)裁判官が職務執行に関して「表現の自由}を主張しては公平、公正な責任ある裁判審理は期待できない。憲法に定められた「表現の自由」は公序良俗に反しない制限はあり、社会正義のためにいかなる場合でも保障されているわけではない。
ところが今回の事例をみてみると、「犬の所有権を巡る民事訴訟を取り上げたネット上の記事に触れ、公園に放置されていた犬を保護し育てていたら、もとの飼い主が返してください」、「え?あなたこの犬を捨てたんでしょ?」(報道原文)と書き込んだもので、制度とはいえこれで懲戒を申し立られた裁判官を最高裁が審問するというのも何とも職務、職権、時間のムダで、裁判官が不足して裁判員裁判導入の必要性に考えさせられる。
(5)法曹人を目指す、志す司法試験の合格者が低迷するのもこれでは致し方もない。
(5)
かっては500人程度の合格者(報道)で一定の資質が保たれていたが、日本社会、国民も訴訟で問題を解決する社会性が増えて裁判官の不足が問題となって、政府は「10年には年間3千人程度」の司法試験合格者目標を閣議決定し全国大学に法科大学院を立ち上げて推進したが目標に届かずに、政府目標も1500人程度に半減していた。
(2)裁判官の不足を補うために裁判員裁判制度を導入して対応しているが、日本の国民の風土、文化に合わないこともあって近年は辞退者も多くなり、また上級裁判所が裁判員裁判の判決を否決する例も出て、国民感情を判決に取り入れるとした司法自体が裁判員裁判趣旨、制度を否定するというパラドックス(paradox)な不合理性もみられる。
裁判官の資質が問題とされる判決もみられて、沖縄辺野古移設埋め立て承認取り消し訴訟では最高裁がそもそも沖縄県知事に国の政策に従わない権限は認められないとして門前払いにするなど政府寄りの判断が前面に出るなど、三権分立の理念、精神が損なわれている現実だ。
(3)裁判官個人でも、かって国の防衛政策を公然と批判する意見を発表して免職する事例もあり異色な裁判官もいたが、今回担当していない民事訴訟に関してツイッター上に不適切な批判投稿をしたとして懲戒を申し立てられた高裁裁判官が、最高裁の審問で弁明し「表現の自由」(freedom of expression)であり懲戒に当たらないと述べた。
裁判官が個人として他の裁判の判決に異論を唱えては司法の独立性は保てない。そもそも人が人を裁く不条理性(unreasonableness)の裁判で三審制が施行されて、最高裁が最終判断、判決を下すものだ。
(4)裁判官が職務執行に関して「表現の自由}を主張しては公平、公正な責任ある裁判審理は期待できない。憲法に定められた「表現の自由」は公序良俗に反しない制限はあり、社会正義のためにいかなる場合でも保障されているわけではない。
ところが今回の事例をみてみると、「犬の所有権を巡る民事訴訟を取り上げたネット上の記事に触れ、公園に放置されていた犬を保護し育てていたら、もとの飼い主が返してください」、「え?あなたこの犬を捨てたんでしょ?」(報道原文)と書き込んだもので、制度とはいえこれで懲戒を申し立られた裁判官を最高裁が審問するというのも何とも職務、職権、時間のムダで、裁判官が不足して裁判員裁判導入の必要性に考えさせられる。
(5)法曹人を目指す、志す司法試験の合格者が低迷するのもこれでは致し方もない。
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