いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

中国への大きな壁(長城)。 big wall against china

2020-11-28 20:42:41 | 日記
 (1)中国の王毅国務委員兼外相が中国側の要請で来日した。米バイデン新大統領が確実な中で米中関係にどう変化が出るのか米国の出方、方針がまだわからない中での王毅外相の来日だ。茂木外相との会談ではコロナ対策での連携強化、双方の夏冬五輪開催での相互協力などが話し合われたようだが、習主席の延期された国賓待遇での訪日については進展はみられずに平凡な会談の中で中国の要請による王毅外相の来日の目的がわからないものだった。

 (2)唯一、日中外交懸案の尖閣問題では従来からの両国主張の中で王毅外相は共同記者会見では「真相が分かっていない日本の漁船が釣魚島(日本の尖閣)周辺の敏感な水域に入る事態が発生している。中国側としてはやむを得ず必要な反応をしなければならない」(報道)としてこれまで尖閣は中国の領土と強硬に主張してきた姿勢をやんわりとまるめた発言にして中国の主張の正当性を強調している。

 (3)同席した茂木外相がこの王毅外相の発言に反論しなかったことが自民党内で「弱腰」として批判されている。外務省は共同記者会見は「反論する場ではない」(報道)と説明しており、中国の要請による王毅外相の来日目的が何だったのかますますわからないうやむやの会見になった。

 中国側、王毅外相としてはこれまでの尖閣領有権の強い主張、姿勢から幾分やわらかいまるめた発言に配慮が感じられたが、この時期(コロナ社会)での中国側の要請による王毅外相の来日で日中関係の改善を目指すなら外交懸案の発言のすり合わせが必要で、これでは何のための王毅外相の来日なのかわからない。

 (4)加藤官房長官も王毅外相発言を「全く受け入れられない」(報道)と日本の立場、主張にもとづき反論しているが、しかし今回の王毅外相発言にはあまりシビアにこだわって捉えることもない。王毅外相のやんわりまるめた発言にあわせて問題視しない姿勢でよかった。茂木外相も日本の立場、主張を述べている。

 菅新政権の誕生に合わせての中国側の王毅外相の表敬来日の目的、意味もあるのだろうが、王毅外相は帰途に韓国に立ち寄って文大統領とも会談しており、米バイデン新大統領のアジア政策が明らかになる前に日中韓協力体制、関係強化を米国に示す目的、意味があったことは考えられる。

 (5)王毅外相はかって日本での中国大使を務めた経歴、経験があり、日本通であり、王毅外相就任に当たっては中国側の日本重視、日中関係の改善に変化が出ることも期待したが、習独裁体制の中では尖閣領有権問題などでの日本への厳しい発言、姿勢が目立ち期待を裏切るものであったのはやむを得ない。

 (6)日本は東南アジア諸国、インド、豪州と連携してアジア、太平洋協力構想を推し進めて中国の海洋進出に大きな壁(長城 big wall)を形成して中国をけん制しており、これに米バイデン新政権のアジア政策の影響力が加われば中国には脅威となり、先制しての中国王毅外相の日本、韓国歴訪だ。

 

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