続き…

2012-05-15 17:04:48 | TAKARAZUKA
またまた字数制限…


祐飛さんは努力の天才。男役から男を極める過程においてあの包容力が身についたんだと思う。なんでも受け止められる包容力。

やはり、すみ花の無限の可能性を引き出せたのは、祐飛さんがいてこそだと思った。あの娘役を受け止めるには相当な包容力がないとどんな天才でも蕾のまま萎んでまう。はっきり書くと祐飛さん以外で相手役を務めた役、新人公演も含めて思ったほど魅力的じゃなかった。主演男役さんには申し訳ないけど。

すみ花とのトッププレお披露目の「大江山花伝」の茨木も文句なし。初演を観てないからストレートに観れたのが良かったのかもしれないけど、役のキャラだけでなく、作品のメッセージ性を見事に伝えられた点が本当に素晴らしいと思った。

ここまでが、私が知らなかった祐飛さんのトップへの道を語ってきましたが、「カサブランカ」を観て私がどれだけ驚いたか想像つきますかね?

もはやコアラ顔でなくなったの祐飛さんを観て凄い衝撃だった。顔だけでなく全て。マジ男だったからビックリ!もはや男役でなく男だった。

スカステを通じて祐飛さんが男になるまでの道のりをたどって、私がまったく宝塚の舞台を観てなかったあの数年間で一人の男が誕生したことに本当に驚きが隠せません。

長くなったので、次は“大空祐飛”から“祐飛さん”と呼ぶようになったトップ時代を語りたいと思います。

今日のまとめ:もはや“祐飛様へ”じゃなく、祐飛さんをテーマに小論文書いているみたいになった。

ま、なんだかんだで祐飛さんは二十年以上の歴史があるし、私の宝塚観劇歴と祐飛さんの宝塚人生歴は大いに重なるから、短くなんてまとめられませんよ!(笑)

祐飛様へ

2012-05-15 16:35:12 | TAKARAZUKA
大空祐飛…、

スカステに加入し「カサブランカ」を生観劇するまでをちょこっと語りたいと思います。

失礼極まりない表現が多々ありますが、とても大事なことなのでお許しください。いつもながら訳分からん文章になっているので、途中で放棄してもらって結構です。

補足:私はアサコさんの退団の年の10月にスカステ加入。2006年の「Never Say Goodbye」から2009年の「Heat On Beat」まで宝塚を観てません。その間誰がトップ男役だったかは知っているが、二番手以下は知らない。もちろん娘役も。
テレビの舞台中継も「明智小五郎の事件簿」と「夢の浮き橋」しか観てない。


祐飛さんを認識したのは、記憶をたどると、月組「ウエスト・サイド・ストーリー」の新人公演でトニーを演じた時かな。もちろん生では観てはないけど、写真は見た。ファンの皆さんはラスカルと言うけど、私はコアラに似てるとずっと思っていた。


一路さんが退団してから宝塚熱が冷め始め、それ以降は観たいと思った作品しか観ていなかった中、だんだんと知ってる生徒の名前が減っていく中、祐飛さんの名前はちゃんと記憶に残っていました。でも、私の記憶の中では祐飛さんの存在は消えてました。

スカステに加入したての頃、アサコさんのサヨナラ特集をしてたので過去の作品を観ていましたが、今思い返すとまったく祐飛さんの存在がない。えっ、いたの!?どの役?って感じ。

スカステ加入して一番びっくりしたのが、生観劇したバウの「から騒ぎ」と2006年の星組「ベルばら」に祐飛さんが出てたこと。「から騒ぎ」では緑の髪の人の存在は知ってたけど、あれが祐飛さんだったとは知らなかった。キリヤンと初風さんしか記憶にない。

役替わりのオスカルを二回観た記憶はあるけど、一人はかしげさんということは覚えている。でも、もう一人が祐飛さんであったことも、スカステを観て出雲綾さんのアドリブで思い出し、チケットを確認したら祐飛さんのオスカルの日だった。凄く失礼なことを書いていますが、それくらい祐飛さんの存在は私の記憶には残ってないのです。それだけ演技が地味だったんです。ファンでないから余計覚えてないんです。

だから余計に祐飛さんがトップになったと知った時は本気で驚いた。

スカステに加入する前、完全に宝塚から離れた時期、ずっと親父が入院していた病院の看護師さんがめちゃ宝塚ファンで、見舞いに行く度にその看護師さんとヅカネタで盛り上がっていたんですが、その時に祐飛さんがトップになったことを聞きました。そして思わず「大空祐飛、まだおったん!?」と聞き返したことを今でも覚えてます。

あのコアラがトップ???正直私には信じられなかった。かつて和央ようかさんが、宙組二番手として抜擢された時と同じ衝撃です。私の目に狂いが生じた驚きです。ある程度トップになる見込みのある人は直感で分かるけど、この二人だけは正直分からなかった。

でも、今なら分かる二人の共通点。めちゃ努力家。知らないところでめちゃ研究してる。たかこさんに関しては一路さん時代にお化粧と歌が抜群に上手くなった。新人公演で一路さんの役が多かったからもあるけど、たかこさんの歌い方はめちゃ一路さんに似ている。

祐飛さんに関しては、お芝居の基礎は十分備わっているけど、ただ押し出しが弱い。周りに自分の演技が埋もれてしまっている。性格のせいかもしれないけど、自己顕示欲が弱い。アサコさんと比べたら一目瞭然。完全にアサコさんの引き立て役になっている。


祐飛さんの大飛躍は月組ラストの「Hollywood・Lover」からだと思った。明らかに顔が違うし、オーラが違う。今までは中性的だったのが、クセのある男役になり始めた感じ。今の祐飛さんの基礎を感じる。今の祐飛さんは完全に男だからね。

祐飛さんが花組に組替えしていたことも看護師さんから聞いてびっくりしたし、全然花組のイメージがなかったから驚きの連続。月組のイメージが強かったし、私の中で花組のイメージが出来ていたから、当時はコアラ顔の祐飛さんと花組が結びつかなかったし、まさか花組二番手から宙組トップになることも、実物の祐飛さんの演技を見てないだけに想像がつかなかった。

スカステで過去映像観たら分かることも多々ある。花組に組替えが決まったことで、祐飛さんの中で何か小さな水泡たちが一斉にパチパチ音を立てて水に変化するような変革が起こったような何かを感じた。

花組の「愛と死のアラビア」のお兄ちゃん役は益々男っぷりがあがっている。次のヨン・ホゲはめちゃ男前。私は祐飛さんのこと一度もイケメンだとは思ったことないけど、このヨン・ホゲは文句なくイケメン。ヨン・ホゲの苦悩と心の揺れ具合が絶妙。全然違うけど「カサブランカ」のイルザみたいな演技力が必要とされる役を見事に好演。

その間の銀ちゃん。まさかヨン・ホゲの前に銀ちゃんを演じていたとは思わなかった。てっきりヨン・ホゲの役作りで男役を極めたんだと思っていたら逆だった。銀ちゃんで洗礼を受けた感じ。

銀ちゃんほど、男臭さと人間臭さを必要とする難しい役はない。これをものの見事に演じた祐飛さんは凄いと思った。この手の三枚目は本当に難しいと思う。なぜなら、二枚目の要素を持ちつつ三の線で、あ、逆です。三の線の要素を持ちつつ二の線で演じないと銀ちゃんの人間臭さが出ないし、最低人間男が愛されキャラにはなれない。

もちろんそこには、すみ花の小夏とみつる君のヤスの名演技と三位一体となって名作を作り上げたことは間違いないんですが、やはり祐飛銀ちゃんがなければ、すみ花の小夏もみつる君のヤスもあの名演技は引き出されなかったのではと思う。

最近気付いたことは、確かにすみ花は北島マヤの要素は持っている。でもその天才も何某の天才の要素を持った人を餌にしないと天才の花は咲かないんだと思った。


ジュピターが…!!!

2012-05-14 23:46:45 | TAKARAZUKA
わが頭上に降臨されたし!!!

もちろん見えてないよ(笑)←当たり前や!

いや~、マジ信じられない!!!

だって抽選整理番号800番台だったんだよ!

職場のヅカ友さんと待ち合わせしてたのに、タイマー替わりにしていた携帯がまさかの電源オフ状態で、大寝坊&大遅刻(汗)

大劇場には集合締切時刻ギリギリに到着したのに、購入整理番号が、なっ、なんと…、

80番!!!余裕のチケット購入範囲内!

この私が千秋楽を観ていいんだと許しを得たと思ったら、急に涙が…。観劇する前に泣いちゃいました(大粒涙)

世の中、残り福なんて絵空事だと思っていたのに、本当に残り福があることをわたくしが実証してしまいました(笑)

実は当日B席購入可能だったのですが、立ち見券にしました。だって、花束を持って客席を歩く祐飛さんが見たかったんやもん!

ということで、月組に続く宙組祐飛&すみ花サヨナラ公演・奇跡の千秋楽生観劇してまいりました!!!

いや~、とても素晴らしい千秋楽でした!

お芝居では、千秋楽仕様で笑えるシーンがあったり、ゆひすみサヨナラに関係なく、リアルに胸に突き刺さる台詞があってウルウルするシーンが増えたりと、前回感じなかったシーンでも感動してました。扉から祐飛さんが客席を歩くとこを観れただけ超嬉しい!いや~格好よかったっす!


ショーは前回より普通に楽しめました。フィナーレも文句なく観てました。

で、サヨナラショー…。

リックに始まり、ファンキー・サンシャイン、誰がため、風莉さん・花露さん・藤咲さん・百千ちゃんの思い出ソング、トラファルガー、ヴァレンチノ、再び誰がため、そして…、

追記:トップ二人の白い衣装でのデュエダン。シメさんのサヨナラショーで、あやかさんと踊った“心はいつも”を思い出した。なんかとてもピュアなダンスでした。めちゃ新鮮だった。

銀ちゃん!!!小芝居付きで楽しかった!銀ちゃん最高!!!大好きっ!!!

こんな楽しいサヨナラショー初めて。過去にないサヨナラショーだと思う。祐飛さんらしくないけど、祐飛さんらしい終わり方でした。

誰がため以外は生観劇した作品ばかりやし、トラファルガー、ヴァレンチノ、銀ちゃんは大好きな作品やから思い出深い楽しいショーでした。

サヨナラの挨拶前の退団者の紹介では、風莉さんの懐かしい映像がめちゃ笑えた(笑)銀ちゃんのトメさんからしか認識してなかったけど、あんなに濃いキャラ演じてたんやね。客席大爆笑。最後まで最高!な風莉さんでした。

で、サヨナラ挨拶の前にみっちゃんと大ちゃんの異動挨拶があったんですが、みっちゃんの挨拶でもらい泣きしてしまいました。みっちゃんの気持ちはよく分かるだけに涙が…。でも東宝での挨拶では悔し挨拶はアカンで。口に出していい場所といけない場所があるから東宝では超明るい挨拶で頼むよ!頑張れ、みっちゃん!オイラは応援してるぜっ!

あ、大ちゃん意外と天然???めちゃ面白いキャラやね。“雪替え”には笑った(笑)

で、サヨナラ挨拶…。

普通だった…(笑)

カーテンコールが面白かった!挨拶ネタなくて困ってたけど…(笑)素のすみ花も見れたし(笑)

あ、貴城のかしげさんが祐飛さんのお花渡しに来てた。めちゃキレ可愛いかった!元気そうだったよ。東宝は誰かな…?

パレードも最後まで見送りました。結構いい位置に立つことが出来たので皆さんの顔が良く見えて超ラッキーでした!

ほんと今日は充実した1日を過ごさせて頂きました。

祐飛さん、すみ花、そして宙組の皆さん、本当に本当に楽しい夢の時間をありがとう!!!


そうそう、残念ながらヅカ友さんは今日の千秋楽を観ることが出来ませんでした。電話が繋がらなくて、私が一人暮らししてるから何かあったのでは?とめちゃ心配してくれたのに、私がまさかのラッキーくじを引くとはね…。本当に申し訳ないですm(__)m

今日の私の幸せは誰かの犠牲の上で成り立っているんだとつくづく感じたので、本当に感謝の気持でいっぱいです。本当にありがとうございましたm(__)m

今日のまとめ:祐飛様へは後ほどアップします。結構長いからまとめられなくて困ってるとこ…。

今日の公演で、これからの注目の生徒を見つけてしまいました!ま、もりえちゃんには適わないけどね…。トップにはなれないかもしれないけど陰ながら応援したいと思います。誰かはあえて書きませんよ。だってここで書いたら辞める確率高いねんもん!


追記:差出人不明で、もりえちゃんのメッセージ付き魔都の超イケメンポストカードが送られてきました。差出人の心当たりは何人かいるのですが、その方かどうかも分からないので、この場を借りて、

ありがとうございます、ジュピターさん!

あえてジュピターさんと言わせてもらいました(笑)大事に飾らせて頂きます!

もりえちゃん、超かっこいい!カメラマンさんナイスショット!やっぱあのスタイルにヴィジュアルに適う生徒はおらんわ。

びっくりな出来事に元気が出ました。ジュピターさん、気を遣って頂き感謝しますm(__)m

続き…

2012-05-08 06:19:17 | うらけん
そんなに興奮してないのに、字数制限で書ききれませんでした…。


で、最後は、やはりこの人が出なかったら100%蜷川作品を観なかったと断言できるくらい、今日の観劇を待ちに待った浦井君の出演。

まさかの「薔薇&サム」のシャルルもどきが登場した時は驚いた。まさかあれを蜷川さんが許したとはね~。ま、勝村さんが許されたんだからこれも許されて当然なんですが、時の流れを感じる。一瞬驚いたけど面白かった。勝村さんのツッコミも良かったし(笑)

正直なところ、あのシャルルキャラの登場で本命キャラに一抹の不安がよぎったんですが、そこは全く問題なかったです。完全に別人で登場でした。ただ…何故か無意味に露出狂な点が気になったんですが…、野生味を出そうとしたのか…?女性ファンには嬉しいだろうけど、私にはただの露出狂にしか見えなかったm(__)m

ま、それはよしとして、三の線でなかっただけ本当に良かった。しのぶさんのお兄ちゃんの役だから三の線になりがちな役ではありましたが、しっかり二の線を保ててました。声の出し方も努力してたし。ただ感情に重きを置いていたせいか、台詞が流れるとこがあったね。いつもなら滑舌の良い浦井君にしては珍しい光景やったけど、しっかり蜷川演出に食らい付こうとしていた証拠やろね。ただ見せ方がな…。頑張ってるねんけどやはり地味になるねんな。同じ線の細い窪塚君の方が数倍存在感があるねんな。目力か…?これからの課題はやはり見せ方やな。

出番は少ないと思っていたけど、ラストの大団円に入れる役でしかも王子様という役を貰えて本当に良かったと思う。しかもしのぶさんとの絡みもあって、両方のファンにとっては嬉しい絡みです。

しのぶさんのお兄ちゃんの役やもんな。マジ映画ではあり得ない設定やもんな。これぞ、舞台マジック、兄妹に見えるから不思議。

これからも蜷川作品の常連になるように頑張ってください!

浦井君としのぶさんのお陰で蜷川シンベリン存分に楽しませてもらいました。蜷川作品は…またお二人が出るなら観ます(笑)

ロンドン公演の成功を心よりお祈りしてます!

今日のまとめ:本当は今日千秋楽を観る予定だったのですが、まさかの職場の発表会と重なり…、日程が分かった時にはチケット完売だったので、「シンベリン」をとるか発表会をとるかギリギリまで悩んでいたんですが、まさかのチケットの神様降臨で前楽を観ることが出来ました。

これを観なかったらこの一年ずっと後悔してたと思うので、本当神様に感謝です。ありがとうございますm(__)m

今日の千秋楽の観劇は友達にお願いしました。以前とんちゃんのコンサートに代わりに行ってくれた方なので、感想が楽しみです。


あ~、なんだかんだで宙組観てないな…。もう観る日ないよ。千秋楽は正直諦めてます。だってバウホール鑑賞がないからね(涙)それでも並びますけどね。さて私にジュピターは降臨するかな…?

追記:友達からの感想メールがきました。

しのぶさんがめちゃくちゃ可愛い!年齢不詳や!と。私がしのぶさんに惚れた理由が分かると…。

そんなこと言ったけ…?あ、昔ね。プチ追っかけしてたことがあったからね(笑)そもそも、しのぶさんのファン歴は「男女七人夏物語」からだからかなり長いよ。舞台に関してはここ十年ブランク(「スウィーニー・トッド」は除く…)がありましたが…(笑)

内容に関しては、上手くまとめてあるけど、難解な長台詞が多くてあちらの世界(お芝居)に入り込めなかったことが時々。お芝居は、やり過ぎでもいいのになぁと…。

やり過ぎでもいい???十分やり過ぎやったけどな…。

難解な長台詞…私は聞き流してました(笑)粗筋知ってから理解してなくても問題なかったし。

ただ、やり過ぎでもいい…という意見が非常に気になる…。また訊いてみます。

追記:たまたま、この記事にお越しになった方へのメッセージを書きます。

777

えっ、何の数字???うん、分からなくていいよ。決して貴方に悪い数字じゃないからね!

まだ私はこの数字に出会ったことないんよねー。パチンコやらないし…。関係ないか(笑)

追記:ここでしか書けないけど、浦井氏としのぶさんのお蔭で、長い拒否期間を経て、蜷川さんの舞台を鑑賞する機会を得ました。ありがとうございました。じゃないと、私もいつまでも意固地になって蜷川作品、亡くなるまで一作も観ることなかったかも…。


浦井氏には、もう一度、蜷川さんの作品に出て欲しかったな~。浦井氏のロミオ、ハムレット観たかったな~。これは鵜山さんに託そう!

改めて、

蜷川さんのご冥福をお祈り申し上げます。


「シンベリン」

2012-05-08 01:18:52 | うらけん
とても良かった!ラストは泣けた。

超久々の蜷川作品で、しかもシェークスピアもの。プログラムを読んで気付いたのが、蜷川さんのシェークスピアシリーズ、市村さんの「リチャード三世」と平さんの「テンペスト」だけ観てます。ま、蜷川さんの作品自体もしのぶさん主演の「欲望という名の電車」以来なのでホント約10年ぶり。

久々に観た蜷川作品の印象は…、

蜷川さん、歳をとったからか丸くなったね…。←めちゃ上から目線。ごめんなさいm(__)m

でも、実際のとこ、月日の流れは非常に感じる。まさか蜷川作品であんなに笑えるなんて昔じゃあり得ないし!灰皿を投げることで有名な人が勝村さんの下ネタで、もっと観客を笑わせるくらい派手にしろ!そんなんじゃ客は笑わん!なんて言って灰皿投げつけるとは思えないもんね(笑)

完全に役者に任せているのが分かる。自由に泳がせてるのが分かる。ま、昔からそうか…。

でも、昔と違うのは、役者の声。あんなにも統一感のない発声はなかったと思う。舞台の声とそうでない声、魂の声とそうでない声が入り乱れてる。昔は声に迫力のある役者が無名も有名も関係なく揃っていた。それが蜷川演出の最大の魅力だったんだけどね…。今は関係ない感じを受けた。

ま、技術的なことはさておき、作品的にはとてもよくできた内容でした。

改めてシェークスピア戯曲の綿密な構成に感心。野田さんの脚本のようにたくさんの伏線が最後に一つにまとまる感じが見事だと思った。全てが大団円に向けての伏線で、一つ一つがハッピーにさせる要因となって畳み掛けるとことが見事な脚本だと思った。

勧善懲悪を描きつつも、“許すこと”と“平和への祈り”そして、蜷川演出ならではの奇跡の一本松のモチーフがさらに、この「シンベリン」をこの時期にこの日本で、そしてロンドンで上演する意味を感じました。ナイス作品選びだと思いました。

ご都合主義の内容って言われるけど、私は筋が通ってると思う。確かに終わりよければ全てよし的な展開だし、まさかのジュピター降臨だし、違和感はあるかもしれないけど、ラストで泣けるならなんの問題ないやん!って思う。

一本松に限らず、源氏絵巻に水墨画、オオカミと双子のオブジェ、洞窟…と、こんなに舞台転換があるのも蜷川作品では珍しいんじゃないかな…?昔はそんなに転換しなかったと思う。その中で一番気に入ったのは、でっかい惑星。月かジュピターか分からんけど「メランコリア」を思い出した。結果的には宇宙の愛がテーマだと思うし。


で、キャストはというと…、

あまりにもメインの個性の強さに驚き。よくもまあ、こんなに揃えたもんやわ。

台詞回しも声の出し方も魂の込め方も皆バラバラで、誰から書いたらいいか分からないくらいキャラ濃かった。

一番驚いたのは窪塚君やった。舞台の声ではないねんけど、アプローチに意外性があって驚いた。チャラ男キャラでくるのかと思ったら全然違ったね。阿部ちゃんのように魂の声を出せるのに、あえてそれを封印して阿部ちゃんとの対比を強調した点に頭の回転の良さを感じてしまった。やはり蜷川さんは先見があるね。

で、前回「ピアフ」で完全ノックアウトされてしまったしのぶさん。今回は残念ながらノックアウトされませんでした。ちなみに今回はだれにもノックアウトされてません…。

ラジオで実年齢とのギャップや、綺麗なお姫様と言われることにプレッシャーを感じてたらしいけど、美輪さんも森光子さんも十代を演じてたんだから、しのぶさんなんて全然気にすることナシ。映画と違って舞台はなんでもあり。おばあちゃんを演じようとも、男の子を演じようとも罷り通る世界やねんからなんの問題ないと思う。ただ、若い声作りに意識し過ぎで声が弱かったのが気になった。男の子の時はめちゃ良かった(笑)←思い出し笑い。久々にしのぶさんのウルウル瞳を見れて懐かしかった~。昔は私もあの瞳でノックアウトされたんだもんね、「真夏の夜の夢」で…。

しのぶさんの夫役の阿部ちゃん。めちゃ蜷川作品にもってこいの魂の独白に感動。脚本的には実はイノジェンが主役と思わせる中で、やはりお前が主役だ!と思わせてくれるラスト前のあの独白はお見事でした。やはりシェークスピアの作品には必ずと言っていいほど嫉妬男が登場するね。シェークスピア自身よほどの焼きもち焼き屋さんやったんやろね(笑)



一番のお笑い担当の勝村さん。実は初めての生勝村さんなのですが、やはり舞台役者。舞台空間一人占めしてたね。でもあの下ネタはやり過ぎ。ロンドンのお客さんがあの下ネタにどん引きしやしないか心配なんだけど…。ロンドン人の反応に興味津々。ま、勝村さんじゃないとあの長時間の舞台、間が持たなかったと思う。一種の道化師の役割で見事な遊びっぷりを披露してくれてた思う。


この方の舞台を観るの「ジプシー」以来なので20年ぶりに拝見するツレちゃんこと鳳蘭さん。見事な嫌味な継母でした。ピッタリ!(笑)出番は少ないけど、他の役の会話の中で登場するから舞台にいなくても存在感を感じる。やはり宝塚のトップオブトップだけある。

ベテランの吉田さんと瑳川さんは文句なし。声の出し方から感情の乗せ方、見せ方まで流石としか言い様がないです。ラストのお二人の存在感には圧倒されました。