私のリスニングスタイル(リスニングスタイルと呼んでいいのか?)は「小音量」再生です。何故なら、「真夜中のリビングルーム」での「音楽鑑賞」だからです。家人に迷惑(安眠妨害)をしてはいけません。家族から「白い目」で見られ「拒絶反応」を食らったらこの先未来は有りません。
好きな曲は「ブルックナー」と「マーラー」のシンフォニーが特に好きです。20才頃はわざわざノバーク版の楽譜のスコアをドイツから取り寄せて、楽譜とにらめっこで聴いていたものです。もちろん「大音量再生」で。しかし、隣人や家族からの苦情で特に好きな「ブルックナー」を聴くのは日曜日の午後、それも「隣家が窓を締めている日」しか聴くことが出来ませんでした。当然そんなに聴けるはずもなく「封印」せざるを得なくなりました。
「ブルックナーのシンフォニー」はご存知の方も多いと思いますが、「大オーケストラ」で「ピアニッシモの弦楽器のトレモロ」と「全奏のフォルティッシモ」が同居しますのでものすごい「ダイナミックレンジ」があります。弦のトレモロを逃さず聴く為には「有る程度の音量」が必要になります。この「音量のレベル」を下げないと「真夜中オーディオ」は出来ません。
今夜はじめてこの深夜に「ブルックナー」に挑戦しました。(今まで幾度となく敗退しました)聴いたのは「カラヤン指揮の7番」です。メインアンプ(A級18W)のゲインは9時の方向、プリのボリューム位置は9時手前。これで1楽章のピアニッシモの弦のトレモロから開始し、1楽章エンドの「フォルティッシモの全奏」までこなしてしまいました。SP間はもとよりSPの外側まで「音でびっしり」と埋まっています。質感も十分です。弦楽器が「浮遊」するかのごとき「呼応」「掛け合い」も美しく再現されます。さすがに地を震わす「低弦」のサウンドは出せませんがイメージは十分に膨らみます。
ミニチュアのオーケストラが「目の前」にいます。カラヤンの「精緻」な造詣が丹念に描き出されていきます。
20cmクラスのSPではいけることは既に実験済みでしたが、「スケール感」が足りなくてブルックナーにはやはり「役不足」でした。今回はメインでの成功です。嬉しくなります。これでやっと「ブルックナーやマーラー、ワグナー」の封印が解けそうです。
私が「ノイズ」を嫌う原因がここに有ります。ノイズが出たのでは「小音量」で弦のトレモロが聴き取れません。大音量再生は直ぐにでも可能です。ただしそれなりの部屋にしないと住宅地での「大音量再生」は出来ません。
使っている機器は特別高い機器では有りません。しかし、この再生音は「お金では買えない」グレードの「音質」です。持てるスキルと経験を生かして、その努力を積み上げた結果です。おいそれと真似が出来る内容とは思いません。
先日交換した「高級電源プラグ」の威力は大したものです。ある高級電源ケーブルに以前から「音の広がり」では勝っていましたが「密度」で負けていました。今回この密度を手に入れましたので多分軽く凌駕したと思います。ただ繋いだばかりなので「機器」の方が「活眼」していません。ですから「ほんのさわり」の状態です。このままの状態で1年掛ければ更に良くなると推測しています。今の実力でもかつてないレベルです。ものすごく楽しみになってきました。
真夜中にJBLの38cmクラスのウーハーと#375が使えるのです。嬉しい限りです。
なお、「大音量再生」は事務所の「オリンパスシステム」でいつでも楽しめます。この違いは「プリアンプ」の「表現の違い」と「ボリュームの違い」に有ります。
自宅で使うなら「マッキンのプリ」の表現の仕方が好ましいと私は感じます。ただしSCE-45で活眼していることが「前提条件」になります。